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    Categories: VRビジネスVR関連企業

なぜGoogleは「VR」を選択したのか?

今やあらゆる業界から熱い視線を注がれるVR。VRを事業として取り組んでいる会社や新しい技術を開発するベンチャーが世界中に存在しますが、「Google」や「Facebook」といったグローバル企業と呼ばれる大手IT企業もVR技術に注目しており、積極的に取り組んでいます。
 
今回はその中でもVRに長く深く付き合っている企業、「Google」について、今に至るまでにどのようにしてVRと関わってきたのかをご紹介します。

Googleとはどんな会社か?


(画像引用元:Google
 
そもそもGoogleとはどんな会社なのか、皆様はご存知ですか?ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンの二人によって1998年に創立され、現在世界においてもっとも利用されている検索エンジンである「Google」を生み出した会社です。YouTubeやGmailなどGoogleが提供しているサービスであるこれらを使ったことがある人も多いのではないでしょうか?
 
もともとVRの先駆けとも言えるサービスの「Googleストリートビュー」を提供するなど、VRに対してはかなり早い段階から触れてきている企業の一つで、近年ではさらにVR事業に積極的に参入しており、業界を巻き込んでさまざまな取り組みを行っています。早速それら取り組みについてご紹介します。

GoogleとVRの関わり


(画像参照元:Google VR
 
Googleは2007年から、全天球カメラ付きの車で公道を撮影しWeb上に公開する「Googleストリートビュー」のサービスを開始しました。360度見回すことのできるパノラマ写真のバーチャルツアーは非常に斬新なものとしてユーザーに捉えられ、今では世界各国の屋外・屋内のさまざまな場所を見ることができます。
 
そんな世界中に広がるVRサービスを生み出したGoogleは、今モバイルデバイスを使った「VR」という技術に注目しています。そこにあるのはスマートフォンの普及台数が、世界中で現在30億台数以上にも登るという背景があります。
 

(画像参照元:Googleがスマホで「VR」「AR」に取り組む理由
 
「情報をアクセスしやすく、使いやすくすること」を使命としているGoogleは15年周期でIT業界の大波がくると考えており、今後はスマートフォンを始めとする「モバイル」から「空間認識コンピューティング」という分野が主流になると考えているのです。

GoogleのVRデバイス

「情報をアクセスしやすく、使いやすくすること」をポリシーにGoogleが取り組んでいるVRに関するサービスは「VRを誰でもが楽しめるように」という思いで、ハード・プラットフォーム・撮影システムなどをユーザーに届けています。下よりそれらをご紹介します。

Google Cardboard


(画像引用元:POPULAR SCIENCE
 
こちらの「Google Cardboard」は非常に手軽かつ簡単にVRを楽しむことのできるヘッドマウントディスプレイです。幾つかの種類があり、ダンボールで出来た簡易なものから、ナイロン製・プラスチック製のものなどがあります。値段は安いもので1,000円以下のものもあり、VRに触れたことのない人にも向いています。
 
このヘッドマウントディスプレイはモバイル型という、本機に対応しているスマートフォンを中に装着し、覗き込むことでVRコンテンツを簡単に楽しむことができるものです。2017年5月現在、本体は1,000万台以上出荷しており、アプリは1億6,000万回以上ダウンロードされているとGoogleが公式で発表しており、Googleが目指した「VRの普及」に大きく貢献していると言えるでしょう。
 
 ▶︎「Google Cardboard」とは|超簡単にVR体験ができるヘッドマウントディスプレイ紹介!

Daydream


画像参照元 Google公式HP
 
VRのプラットフォームとしてGoogleが提供しているのは、「Daydream」です。
 
「Daydream」が掲げている目的は「高品質なスマホVRの提供」です。「Daydream」とは特定のハードを指すのではなく、Android上で動く高品質なVRプラットフォームのこと。Google自らが、「OS/スマートフォン」「ヘッドセットなどのVRデバイス」「アプリケーション」のすべてをVRに最適化していこうというものです。
 

画像参照元 Made by Google
 

画像参照元 Made by Google
 
上の画像が「Daydream」対応のスマートフォン「Pixel」です。こういったDaydream対応(=Daydream Ready)のスマートフォンと、下の画像の専用のヘッドセット「Daydream View」が必要になります。
 
これらを用いて、GoogleはスマホVRの中でもハイクオリティなVR体験の提供を可能としました。「Google Cardboard」では提供できないレベルのコンテンツを発信できるこの「Daydream」を契機に、GoogleがVRマーケットへ本格的な参入を行い始めました。
 
 ▶︎GoogleのVRプラットフォーム「Daydream」でストリートビューの未来はこうなる?!

Jump


 
次に紹介するのはGoogleが提供している360度カメラ撮影システム「Jump」です。16台のカメラを組み合わせたデバイス「Gopro Odyssey」で撮影する際に使われるシステムになっています。このシステムを用いることで16台のカメラを1台のものとして扱うことができ、非常に高画質に撮影することで、より没入感の高いコンテンツを制作することができます。
 
こちらが「Jump」を使って撮影した動画です。他のカメラデバイスと一線を画す画質の高さをご堪能ください。
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓

今後の「GoogleとVR」

Googleは今後もVR事業に積極底に取り組んでいくことは間違いなく、業界を牽引する存在になっていくことでしょう。また2017年5月時点で、以下のような発表がありました。
 
 ・さらにますます多くのスマートフォンが「Daydream」に対応していく
 ・別途再生機器の必要ない一体型のヘッドマウントディスプレイを2017年中に発売する

 
より没入感を高めるために他の再生機器を必要としない一体型のヘッドマウントディスプレイ。市場に登場するのは2017年の終盤から2018年にかけてと言われていましたが、Googleはここで他企業から一歩抜きん出る形で発表に踏み切りました。

まとめ

GoogleのVR事業はストリートビューから始まり、今ではVR業界におけるハード・プラットフォーム・コンテンツ・撮影システムなど全てを網羅するほどです。2017年もさらに我々を驚かせてくれることは間違いありません。今後さらにVR業界を盛り上げてくれる企業の大本命として、次にどんな情報が発信されるのか目が離せません。

編集部 :