本記事の内容
天空の城は本当にあった!
「天空の城」、そう聞いて思い浮かべるのは、雄大な空に浮かぶ雲に覆われた浮遊島。つまりスタジオジブリの映画『天空の城ラピュタ』です。現実には存在しないと理解していながら、ふと空を見上げた時に「あれってまさか…」と大きな雲を指差してしまう私たち。常に心の片隅で追い求めしまう、そんなロマンの塊を見つけることができたらどんなに幸福でしょうか。
実は、そんなロマンの塊が、あるんです。空に浮かぶとまではいきませんが、天高くにそびえたち、雲に覆われた城が日本各地にあるのです。というか既にブームになっています。
天空の城といえば兵庫の竹田城跡が有名ですが、全国にはまだまだたくさんあります。夢にまで見た天空の城が見られる、しかもたくさん! そんなワクワクが止まらない天空の城巡り、グーグルストリートビューを使って各地のお城をご紹介していきます。
雲海にただよう天空の城
天空の城の鑑賞には、「時間」がとても大切です。やはり天空の城と言うくらいですから、雲海は必須項目。そうなると、季節や鑑賞時間に制限が出てきます。
まず季節は、秋から春の寒い時期。ベストなのは晩秋〜冬(11月末〜2月末)です。鑑賞時間は、朝7〜8時。朝霧が出ているタイミングを狙います。時期的に寒いので、防寒は忘れずに。また、早朝の山は真っ暗なので懐中電灯やヘッドライトの準備もしていきましょう。
天空の城ブームの火付け役・竹田城跡
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天空の城ブームの火付け役となった「竹田城跡」。雲海の中に浮かぶその姿は、日本のマチュピチュとも言われています。
お城の建物自体はありませんが、全国でも珍しい完存する山城遺跡であり、石垣は南北400m・東西100mにのびています。全国でも有数の規模をほこり、日本の100名城にも選ばれている竹田城。注目のきっかけは、GoogleモバイルのCMに使用されたことでした。
前述の通り、鑑賞タイムは秋〜冬の早朝7〜8時がベスト。竹田城跡にいては全貌が見えませんから、鑑賞場所は隣の山にある立雲峡か藤和峠がおすすめです。どちらも山道を歩くことになるので、気持ちと体の準備を忘れずに。
竹田城
住所:〒669-5252 兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169番地
日本唯一の現存天守・備中松山城
天空の城の見頃は秋。ということは紅葉も見頃を迎えるシーズン。生い茂った緑と雲とお城のコントラストもキレイなのですが、赤く染まった木々に囲まれたお城というのも、独特の雰囲気があって一見の価値ありです。
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岡山県の臥牛山の山頂にたたずむ「備中松山城」。臥牛山は美しい紅葉が見られる場としても知られており、紅葉に囲まれた天空の城を楽しむことができます。このお城は文化的にも非常に貴重なもので、日本に1,2しかない天守が現存するお城の一つ。日本三大山城にも数えられています。
ちなみに、見頃は秋〜冬の早朝とお伝えしてきましたが、実は雲海はいつでも見れるわけではありません。よく晴れた早朝、寒暖差が激しい日に朝霧は発生しやすく、その日がいつ来るかを予想することはなかなか難しい。最高の状態で天空の城を見るために、何度も足を運ぶ人もいます。
備中松山城
住所:岡山県高梁市内山下1
幻の城? 越前大野城
天空の城といえば、大抵が緑深い山の頂にあり、市街地からは遠い場所ばかり。そんな交通の便が悪いなか、なんとJR越前大野駅から徒歩30分という立地にあるのが福井県は大野市にある「越前大野城」。
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ただしこのお城、他のお城と比べて格段に鑑賞が難しいのです。天空の城シーズンでは普通は10日/月ほどは見えるのですが、このお城は10日/年という低頻度。ごくまれにしか拝めませんが、その分見ることができた時の感激は何倍も大きくなります。天空の城のなかでもさらに珍しい越前大野城、ぜひチャレンジしてみてください。
越前大野城
住所:福井県大野市城町3-109(資料館)
日本一美しい山城・郡上八幡城
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日本最古の木造再建築城と言われる「郡上八幡城」。戦国時代末期に建てられ、明治期に一度廃城となったものの昭和8年に再建されました。岐阜県の中央、郡上市に位置し、奥美濃の山々と川にかこまれた雄大なその姿は、「日本一美しい山城」と言われています。夏には青々とした緑、秋には紅葉で真っ赤に染まり、冬には雪化粧。四季折々の景色が堪能できる郡上八幡城に、あの司馬遼太郎も大絶賛だったそうです。
日本一美しい山城が雲海に浮かぶ天空の城になった風景、きっと声にもならない美しさだと思います。
郡上八幡城
住所:岐阜県郡上市八幡町柳町一の平659
世にも奇妙な地上のお城・赤木城跡
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最近注目を集めているのが、三重県熊野市にある「赤木城跡」。ここは山城ではなく、雲海にも浮かびません。それでも多くの人が天空の城として見に来ています。いったいなぜか? それは、この地域特有の気候が関係していました。
この地域では秋から冬にかけて、峠から滝のように霧が流れ落ちる「風伝おろし」と呼ばれる現象が起きます。真っ白で分厚い霧が熊野の町になだれ込む風景に、毎年多くの人が訪れ魅了されているのです。そして、風伝おろしが見られる地域のほど近いところにあるのが赤木城跡。霧に囲まれたお城を楽しむことができます。
赤木城跡
住所:〒519-5404 熊野市紀和町赤木
まとめ
子供の頃から天空の城に憧れ、学生時代に見に行った竹田城跡の景色を昨日のことのように思い出します(実際は7年前ですが)。「なーんだ、こんなもんか」なんてことには絶対になりません。いつでも見れるわけではないですし、寒いなか険しい山道を歩く場合もあります。しかし、その先には想像以上の感動が待っています。秋〜冬にいけば3日に1回は見れるので、ぜひ気を長く持ってみることをおすすめいたします。