日本国内の公道のみならず、施設の中まで360度でぐるっと見て回れるGoogleストリートビュー。今や街中で場所を探している人の大半が、地図を片手に、ではなく「スマホを片手に」の時代ですね。実は今、この便利なGoogleストリートビューが、単なる「地図」としてではなく、地域活性化にも一役買っていることを皆さんご存知でしょうか?
2016年は、国内外で様々なVR情報が度々ニュースにも取り上げられた「VR元年」です。「VR=ゲーム」の印象が強いかもしれませんが、いえいえ。このGoogleストリートビューも立派なVR(ヴァーチャル・リアリティ)です。最も身近なVRの一つであるGoogleストリートビューが、なぜ「地域活性化」なのでしょうか。
今回は、Googleストリートビューの可能性にいち早く気付いた国や自治体の様々な動きをご紹介します。
本記事の内容
なぜGoogleストリートビューに自治体が注目しているのか?
先にも述べたように、2016年はVR業界において『VR元年』と位置づけられた年でした。人々は、ヘッドマウントディスプレイを通して実際には目の前に存在しない景色を楽しみ、まるで自分が体験しているかのような興奮を味わえるようになりました。
また同じようにGoogleストリートビューで様々な場所を「旅」することは、まさにその場に足を運んだような貴重な体験を生み出します。
誰もがスマホで何でも調べられる現在。次の旅の宿泊先の周辺をGoogleストリートビューで事前に調べたり、ホテル予約をする際に各部屋をのぞいて選ぶというのは、もう決して珍しいことではありません。この効果にいち早く気付き、「プロモーションに使おう!」と思う自治体が誕生しても、不思議ではありませんね。
既にGoogleストリートビューの導入支援を行っている都道府県を、早速ご紹介しましょう。
「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」@岡山県
こちらの「晴れの国 岡山 デスティネーションキャンペーン」とは、昨年4月1日から6月30日までの3ヶ月間実施された、JRグループ、地方自治体、観光事業者等がタイアップして展開された大型観光キャンペーンのことです。
観光キャンペーンなので、当然対象は国外含む県外の人々で、岡山を良く知らない、まだ訪れたことが無い人に岡山の魅力を伝えることが目的。
「魅力を伝えるにはGoogleストリートビューがふさわしい」と考えた岡山県は、ホテル・旅館・土産物屋・飲食店を対象とし、ストリートビュー撮影費用の助成金が交付することで、導入を促しました。
岡山県の面白いところは、単に名所をGoogleストリートビューで紹介しているだけではなく、そのメイキング映像まで作ってしまったこと!Googleストリートビューの撮影風景はなかなか見れない貴重な映像です。
こういった映像を見ると、「これで撮れたGoogleストリートビューはどんな感じ?」「実際にどんなところ?」と、リアルに興味を持ちますよね。単に助成金を出すだけではなく、色々考えられた素晴らしい企画と言えますね!
☆晴れの国 岡山 デスティネーションキャンペーン(公式サイト)
「外国人観光客受入環境整備推進事業補助金」@長崎県
続いてご紹介するのは九州の長崎県!
雲仙岳で有名な雲仙市は、市内の宿泊施設に対し、なんと上限100万円の補助金を交付!対象は、外国人観光客受け入れのための外国語パンフレット(施設案内)や外国語のホームページに対してでした。
その中で、「言語の壁が無い=外国人にも同じように伝えられる」という視点で、Googleストリートビューも補助金対象として認定されたのです。
自分達が利用する施設や訪れたい観光地などを、言語関係なく見て情報を得ることが可能なGoogleストリートビュー。外国人観光客にとっても非常に使い勝手の良いVRサービスだということがあらためて分かりますね!
2020年の東京オリンピックに向け、日本全体がますます「外国人の訪日インバウンド」に向けて様々な施策を考えていくことでしょう。その際に、「世界中のどこからでも見られる」「言語の壁が無い」Googleストリートビューが、観光の呼び水として大きな役割を果たすことは言うまでもないでしょう。
起業してGoogleストリートビュー事業をやりたい方にも助成金が!
ここまでは、積極的にGoogleストリートビューを導入して欲しいと考える自治体の事例をご覧いただきました。でも実はGoogleストリートビューに関する助成金はそれだけではないのです。なんとGoogleストリートビューを事業として起業をお考えの個人や、新規事業として取り組みたい企業へ融資や支援資金援助まで行政が行っています!
例えば福岡県(平成28年時点)では以下のような取り組みを行っていました。
福岡県中小企業融資制度
☆ 新規創業資金
こちらは、創業する個人又は会社が必要とする事業資金の融資を促進することで、地域の産業を発展させようとする制度です。つまり、地域振興のために新たなビジネスの起業に対して、県が補助を行ってくれるのです。
参考:福岡県 平成28年度 福岡県中小企業融資制度のご案内
☆経営革新支援資金
こちらは「新分野への進出」「経営の革新等」など、頑張る中小企業に対して事業資金の融資を促すことで中小企業の発展を目指そうというものです。驚くべきことは、こちらの融資の上限は1億円!申請する価値は十分ありますね。
参考:経営革新支援資金
まとめ
今回は、「補助金を出してでも、Googleストリートビューを導入してもらいたい」と考える自治体と、「地域活性化のために、起業あるいは中小企業を支援する」という自治体をご紹介しました。
Googleストリートビューは、施設へ導入することでユーザーを実際にその場所に足を運ばせる効果がとても高いツールです。さらには、起業すること自体が、「地域全体の活性化に繋がる」と考える自治体も多いのです。
「地域活性化に役立ちたい」「自分が愛する地元に何かしら貢献したい」と思っているあなた。様々な方面から補助が期待出来るGoogleストリートビューを、ぜひ活用してみませんか?
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