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    Categories: VRビジネス

「同じ景色を、新しい体験に変える魔法」先進的なVRを導入した体感型展望台「SKY CIRCUS サンシャイン60展望台」の狙いとは

「SKY CIRCUS サンシャイン60展望台」は、「見るだけの展望台」から「体感する展望台」へ進化した展望台として2016年4月21日にオープンしました。今回はなぜ展望台にVRコンテンツを導入(2017年6月現在3つのVRコンテンツを導入)しようと思ったのか、またその反響はどうなのかなどを、当展望台を運営する株式会社サンシャインエンタプライズ スカイゲストコミュニケーション部主任 廣野睦美様にお聞きしました。

 

一周年記念に導入された新しいVRコンテンツ

LIFE STYLE古城(以下古城):
まず最初に、「SKY CIRCUSサンシャイン60展望台」は、4月21日に一周年を迎えられたかと思うのですが、新たな取り組みについてお教えください。
 
サンシャインエンタプライズ廣野様(以下廣野)
「SKY CIRCUSサンシャイン60展望台」は一周年アニバーサリーとして、数多くの新しい取り組みを開始しました。最初にご紹介するのは、「SKYエスケープ~高所恐怖体験~」という新しいVRコンテンツです。こちらは超高層ビルから脱出することを目的にしたガンアクションになっており、敵を倒す爽快感とスリルが味わえるものになっています。またリアル謎解きゲームもスタートしており、こちらは9月3日まで期間限定で行っています。その他にもUNI-CUBという重心移動で動く最新のパーソナルモビリティに乗って展望台をガイドするツアーや、カフェでは新しいメニューを提供したりしています。
 

VRは「体験型展望台」というコンセプトに応えるための手段

 
古城:
今でこそVRコンテンツを体験できる施設は増えてきましたが、「SKY CIRCUSサンシャイン60展望台」がオープンした頃はまだほとんどVRコンテンツを体験できるところはなかったと思います。なぜ展望台にVRコンテンツを導入しようと思ったのですか?

 
廣野
設立当初より「SKY CIRCUSサンシャイン60展望台」は「体感型展望台」をコンセプトにしております。その中で、眺望や高さを活かしたコンテンツは何かということを検討し、いつもとは違う視点で眺望を楽しんでもらえたらという思いで、最新技術のVRを用いることになりました。
 

「TOKYO弾丸フライト」
 

「スウィングコースター」
 
古城:
なるほど、VRを導入することが目的ではなく、「体感型展望台」というコンセプトに応えるための手段がVRだったのですね。実際にVRを導入したところどういった方から反響が多いですか?

 
廣野:
VRに興味をお持ちの若い方から、日本に訪れる外国人の方まで様々な方がお越しになるようになりました。特に外国人のお客様は、「SKY CIRCUSサンシャイン60展望台」が海外のメディアに取り上げられて、そこから興味を持たれて訪れる方が多いですね。また展望台の特色として、眺望などは天候に左右されてしまうのですが、VRコンテンツを導入して体験型の展望台としての特色を打ち出すことで雨の日でもいらっしゃるお客様は増えました。
 
古城:
確かに展望台だと天候によって客足がだいぶ変わってしまいそうです。それを、体験型の展望台というコンセプトに沿ったVRで解決したということですね。海外のメディアと言いますとどういったところに取り上げられたのでしょうか?
 
廣野:
中国・台湾のメディアを中心に様々なメディアに取り上げられまして、実際にその影響でたくさんの方が訪れるようになりました。また時間帯によってもお客様の層は変わるのですが、夜の時間帯は海外のお客様が比較的多いですね。おそらく近辺のホテルにお泊りの方たちが、いらっしゃっているのかなと思います。
 

1周年を機に追加したVRコンテンツ

古城:
今回一周年にあわせて新しく「SKYエスケープ~高所恐怖体験~」と言うVRコンテンツが増えたかと思うのですが、こちらはどういった経緯で導入されたのでしょうか?
 
廣野:
もともと「SKY CIRCUSサンシャイン60展望台」にあったVRコンテンツが「TOKYO弾丸フライト」と「スウィングコースター」という二つのコンテンツになります。「TOKYO弾丸フライト」は、人間大砲型のマシンで発射され未来の東京の名所をめぐるコンテンツで、「スウィングコースター」は実際の池袋の街並みを滑空しながら見てもらうといったものになっています。これらは二つとも、コンテンツの動きに合わせてVRの映像を見ていただく作りになっているのですが、今回新しく導入した「SKYエスケープ~高所恐怖体験~」は受動的な体験だけではなく、ガンアクションのある能動的な体験が可能になっています。ユーザーの皆さんがより積極的に「体感」してもらえるコンテンツとして導入することになりました。

 

 
古城:
実際に今後もVRコンテンツを増やしていこうという構想はありますか?
 
廣野:
増設の予定は今のところ未定ですが、VRはコンテンツのデータをアップデートすることや、内容を変更することもできますので、今後そういった形で更新していく可能性は十分ありえますね。

 

景色自体は変えられなくても視点を変えることができる


 
古城:
どのコンテンツも「体感型展望台」というところに注力しているのですね。最後にお聞きしたいのですが、何故こういったコンセプトのもとで運営されているのでしょうか?
 
廣野:
天候に左右されないというのも大きな要因ではあるのですが、何よりも展望台の可能性の幅を広げたかったという理由があります。展望台の眺望は変わりませんが、体験を通して同じ景色を違う視点で捉えることができればと思いました。VRコンテンツで空に飛び出したりすることで、同じ景色の新しい見え方を提供できればと思っています。
 
ー廣野様 貴重なお話を誠にありがとうございましたー

古城芳明 :