ビジネスの領域においても耳にすることが増えてきた「VR」というワード。今この技術はどの業界からも注目されており、ますます成長が見込まれています。これから大きくなっていく市場に置いて行かれないよう、今回はそのVR業界についての市場規模と、今からチェックしておくべき厳選企業5社をご紹介します。
本記事の内容
2020年には20倍の規模にもなると言われているVR・AR市場
2016年時点で約7,000億円規模であったVR・AR市場ですが、今後もますます成長していくことが予想されています。IT専門の調査会社IDCによると、毎年2倍ずつ市場規模が拡大し、2020年には約19兆円になると予想されています。
近年ずっと身近になってきた印象のあるVR・AR技術は各業界において注目を浴びており、様々な企業がこの市場へと参入を開始しています。ここからはVRを取り扱っている企業で、今のうちにベンチマークしておくべき企業を5社ご紹介します。
ベンチマークしておくべきVR企業5選!
ここからは今のうちにチェックしておくべきVR企業を厳選して5社ご紹介します。いち早くVR業界に参入し、今後ますます成長していくVR市場に伴い、発展が見込まれている企業ばかりです。
グリー株式会社
ゲーム業界の有名企業「グリー株式会社」もVR事業に参入しています。さまざまな分野でVR事業に携わっており、主に「開発・制作」「投資」「市場復興」の部分を行っています。
【開発・制作】
グリーはVRゲーム開発・制作用の「GREE VR Studio」というチームを作り、多くのVRゲームコンテンツを作成しています。中でもゲームセンター業界の大手、アドアーズ株式会社と業務提携してVRテーマパーク「VR PARK TOKYO」を渋谷にオープンさせるなど、積極的にVRゲームの普及や発信を行っています。
(「VR PARK TOKYO」内の様子)
また「F×G VR WORKS」というプロジェクト内では、「フジテレビ」と業務提携を組み、ゲームではないものの、VR技術とフジテレビの持つ映像制作のノウハウやキャスティングを合わせてコンテンツを制作していくことを発表しています。
(画像引用元:「F×G VR WORKS」公式サイト)
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓
(「F×G VR WORKS」のVRコンテンツ)
【投資】
(画像引用元:「GVR Fund」公式サイト)
投資の部分では、北米のVR系スタートアップ企業に投資をする「GVR Fund」を立ち上げています。グリーは2011年に北米に進出しており、北米市場においてゲーム領域だけではなく、ソフトウェアやコンテンツを提供する優良なVRスタートアップ企業を積極的に開拓し投資していくことを目的にしています。
すでに9社ほどのVR系スタートアップ企業に投資しており、事業展開のスピードが早い北米のスタートアップ企業を支えています。
【市場復興】
(画像引用元:「Japan VR Summit」公式サイト)
市場復興の部分で行っていることが、「Japan VR Summit」というカンファレンスの開催です。「Google」や「ソニー」、また「HTC Vive」や「Oculus」などの数多くのVR事業を取り扱っている企業の担当者が一堂に会し、意見を述べ合う場所を設けています。
実際にVRの事業に参入している企業の担当者の生の声を聞く場所を作ること、そしてVR市場のリアルを伝えることで市場の熟成を狙っています。
グリーはVR業界において、以上の3つの事業展開を行っています。さまざまな角度からVR事業に携わっている企業です。さまざまな企業と一緒にプロジェクトを行うことが多く、ゲームをメインにしつつも、それだけに留まらない広がりを見せている要チェック企業の一つです。
株式会社gumi
(画像引用元:株式会社gumi)
次に紹介するのは「株式会社gumi」です。ゲームアプリを開発している同社は、VRの事業も展開し始めました。主に3つの取り組みをしており、「ゲームの制作」「インキュベーションプログラムの提供」「スタートアップに向けたファンドによる投資」を行っています。
特に注目すべき取り組みは「インキュベーションプログラム」で、スタートアップ企業に対し資金を500万円~1,000万円提供し、各種サポートをしながら、半年後にデモとして発表してもらうプログラムになっています。日本発のVR系スタートアップを育てることを目的にした「Tokyo VR Startups」、そして韓国の「Seoul VR Startups」、北欧の「Nordic VR Startups」を運営しています。
このようにgumiは市場を成長させる意味合いも込めてスタートアップ企業の育成、そしてファンドを用いた投資を行っています。また2017年5月現在、VR事業の競争力を強化するために会社分割を行い、「株式会社gumi VR」という会社を新設し、完全子会社化を発表しています。VRに関して積極的に取り組んでいる企業ですので、今後の動向にも注目が集まります。
株式会社コロプラ
スマートフォンのゲーム開発・制作を行っている「株式会社コロプラ」もVR事業に参入しています。VRゲームの開発・制作はもちろんのことですが、特筆すべき点は子会社として設立した「360Channel」です。
「360Channel」は高品質な360度動画コンテンツの配信を目的にしたVR動画配信サービスで、バラエティ・ドキュメンタリー・音楽・観光など幅広いコンテンツを360度で楽しむことができます。いくつものデバイスでの視聴が可能で、スマートフォンやパソコン、ヘッドマウントディスプレイでも見ることができます。
担当者曰くVR事業で利益が出るのはまだ先だという話ですが、直近では「PS VR」での視聴が可能になるなど、視聴の機会はより広がっています。視聴者に360度動画形式のフォームが受け入れられるかどうか、今後の「360Channel」に注目が集まります。
株式会社カヤック
「日本的面白コンテンツ事業」を事業内容に掲げている「株式会社カヤック」も、VR事業に大きく取り組んでいます。「あらゆる場面にVRを」というスローガンのもと、「VR部」というVR専用のチームを作ってVRコンテンツを企画・実装・演出することをメインに行っています。
上の動画は、転職をサポートする事業を行っている「DODA」がカヤックと合同で制作した「VR面接」というコンテンツです。採用活動においてVRを活用した希有な事例ですが、VR技術の幅広さ、活用における有用性を示した事例になります。
この他にもVRでのオフィス見学や商品プロモーションなどのコンテンツを制作しており、VRがより身近に感じられるような世界観作りに一役買っている企業の一つです。VR部は活動領域を増やしており、ますます積極的にVR事業へ取り組んでいくことが予想されています。
株式会社DMM.com
動画コンテンツを配信サイトとして大手の「DMM.com」もVRコンテンツの導入を行っています。VR動画を専門に配信するチャンネルの開設も行っており、動画コンテンツ市場においてVR動画コンテンツのプラットフォームの役割を担っています。
現在1,200以上のVRコンテンツを配信しており、「PS VR」での視聴に対応するなどして使用可能なハードも増えてきています。ユーザーにとっても大手の動画サイトがVRコンテンツを導入したということで注目度が高く、さらに多くの企業が参入することが予想されています。
またDMMはVR専門の映画館として「DMM VR THEATER」を設立しており、世界で初となる3Dライブホログラフィック劇場を運営しています。このようにVR事業に関して先進的な取り組みを多く行っているDMMは今後もますます業界を引っ張っていく存在となるでしょう。
まとめ
VR事業に参入する企業は近年増加の傾向があります。上にあげた5つの企業の中で知っている企業もいくつかあったのではないでしょうか。ここにますます多くの企業やスタートアップが加わっていくことを考えれば、さらに大きな市場になることは間違いありません。商機を逃さないように今のうちにこれらのVR企業をしっかりチェックしておきましょう!