株式会社フリークアウト・ホールディングス|【2017年版】おしゃれオフィス20選

筆者: 編集部

『2017年おしゃれオフィス20選』の第11弾は、「株式会社フリークアウト・ホールディングス」です。「人に人らしい仕事を」をコーポレートビジョンに、広告領域を中心に自動化できる仕組みを次々と開発しています。あえてオフィスを少し複雑な作りにすることで生まれたカオスな雰囲気についてなどお話を伺ってきました。

雑務は全てシステム化し、人間は人間にしかできない仕事に集中出来る環境を

●LIFE STYLE代表 永田(以下永田)
今回は弊社の取材にご協力頂きまして、ありがとうございます。初めに御社の事業についてお聞かせ下さい。
 
○代表取締役社長 佐藤裕介 様(以下佐藤)
弊社は元々、「広告技術の会社」として立ち上がりました。私たちのコーポレートビジョンは、「人に人らしい仕事を」ということ。これはどういう意味かと言いますと、私たちのメイン事業であるデジタル広告の運用業務って、極めて重要性が高くて絶対にやらなくてはならないのですが、実は大半は比較的簡単なルーティンに近い作業、オペレーションなんですよね。誰がやっても大して差が出ないのに、作業中心ですごく時間がかるため、業務の8、9割をここに費やすパターンが多くて。そうなると、本来デジタルマーケティングの世界って面白いのに、その面白さを感じる手前の雑務に疲れて「つまらないな」と思って辞めてしまうケースがすごく多いんですよ。前職がGoogleだったのでそういったケースをたくさん見てきました。そこで、「オペレーションとしてできる部分は、全部自動化しよう」と思ったんです。
 
●永田
システム化してできてしまう部分はソフトに任せて、浮いた時間を人間本来がやるべき業務に回す、ということですね。
 
○佐藤
そうなんです。私たちが働いている時間は人生の中でも大きな割合を占めているのに、本来人間がやらなくても良い業務に多くの時間を割かれているのが現実ですよね。その結果、本来私たちが考えるべきこと、やるべきことがないがしろになってしまっていて。我々はソフトウェアの会社なので、そういう煩雑な仕事や非創造的な仕事を可能な限り自動化して、その部分は当然人間よりも品質が高くミスも起こさず、スケーラブルで高速に仕事を済ますと。その代わり、人にしかできない仕事、たとえばクリエイティブの創造などに存分に時間を使える環境を提供したいと思っています。
 
●永田
なるほど。システム化できる部分はシステム化して、人間にしかできない作業に集中するというのはとても有り難い仕組みですね。今年2017年の1月に組織の変更があり、事業領域が広がったと伺いました。そこを少し詳しく教えて頂けますか?

広告業界で培った「自動化する仕組み」を、他の業界へも

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○佐藤
弊社は広告の領域において、「仕事を自動化するためのノウハウ」「データを解析する基盤作成」「ソフトウェアが自律的に学習して、自律化効率を高めていくような仕組みづくり」を6年間提供してきました。経験を積んで来た結果、「この自動化の仕組みって、広告業界以外にも活用ができるよね」ということになったんです。私たちの目標は「一人一人の仕事の質の向上」なので、広告業界に限らずあまねく色々な産業、色々な会社の色々な仕事を自動化できたら、と思っています。例えば宇宙の産業であるとか、人事のような「自動化が難しい」と思われている分野や、流通小売などを具体的に考えています。仕事の自動化を実現すると共に、空いた時間でさらに面白い仕事を作り上げていくことへの支援をやっていこうと。
 
●永田
人事の領域はどこの会社も力を入れている部分ですが、ここを効率化していくと人々にとってはどんないいことが起きてくると思いますか。
 
○佐藤
我々が先般M&Aをして、今から一緒にやろうと思っている「株式会社タレンティオ」は「ATS」という採用管理業務を自動化していく仕組みを持っています。人事の業務には「人が入るまで」「入社手続き」「労務/給与などのバックオフィス業務」そして、研修やフォローなどのヒューマンリソース管理みたいなところがあって、最後は退職で終了になると思います。バックオフィス系は自動化する仕組みが色々出来ていますが、一番課題が多い「採用」と「ヒューマンリソースマネジメント」のところは、結構ぽっかりとあいていると思っていて。この領域は会社ごとのカラーで全然ニーズが違うが故に、クラウドサービスにあまり向いていないという印象があるのかもしれません。でもこの部分、とても人手も手間もかかっている部分。また、人間の認知能力だけだと最適な配置は難しくて、数学的に解決した方がいいところが実際は沢山あると思っています。本来、人事の仕事というのは対「人」で、しかも人の心にも一番関わる部分なので、繊細に丁寧にやる必要があると思うんです。決して焦ってはいけなくて、本当にちゃんとじっくり考えて、その人のことを想って、しっかり話し合いをして意思決定すべきなんですよね。そこに絶対的に時間をかけるべきなので、それ以外の部分を極力自動化したいと思っています。
 
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●永田
なるほど。それは人事側にとっても求職者にとっても嬉しいですね。

○佐藤
そうですね。その点は私たち自身もとても苦労していますから。弊社も採用をすごく頑張っている会社だと思いますが、メールでの日程調整など、「人じゃなくてもできるだろう」というような部分の工数がすごく重いために、本来時間をかけるべきところに十分にかけられていないんです。そういった部分をソフトで解決して、全部無くしたいと思っています。

オフィスの各階のコンセプトは、人が集まる「ストリートフェス」「海フェス」「森フェス」

●永田
それでは次に、オフィスについてお教え下さい。今回のオフィスはどんなところにこだわってつくられましたか?
 
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○佐藤
ここに移って来たのは創業から丸3年、今から3年程前だったのですが、当時は80人くらいの規模でしたがとにかく忙しくて、色々な制度をはじめ、何もかも全く整っていなかったんです。労働時間も今より長くルールもまだ全然きちんとしてなくて。私自身も組織のマネジメントよりも、「事業をやりたい」「良いソフトウェア作りたい」という気持ちが強くて、社内制度などは後回しになっていたんですね。ここに移って来るタイミングで、「『人に人らしい仕事を』という価値を提供しようとしている会社がこの働き方じゃまずいな」と、オフィス環境を変えようと思ったんです。オフィスは平日毎日いる場所ですから、そこをコーポレートビジョンに寄せていこうと。向かいのビルと合わせて4フロアあるんですけど、そのうちの3フロアに関しては「フェス」のイメージにしました。つまり、人が集まる場所。5階は「ストリートフェス」、4階は「海フェス」、3階は「森フェス」というコンセプトです。フジロックみたいなイメージで、本物の白樺あるんですよ。広さとしては、フロアが200とか220坪くらいあるので、合計で650くらいですね。移転当初は80名だった社員が今ではちょうど倍の170名前後になっています。

オフィスで気に入っているのは、人間らしい「カオス」が生まれているところ

●永田
3フロアに別のビルもあるのですね。その中でこだわったことはありますか?
 
○佐藤
このオフィスって、経済合理性が合うわけではないんですよね。段差が多かったり、ぐるっと回り道をしないと目的の場所に行けないとか。ちょっとめんどくさい設計なんですよ。私たちはソフトウェアやデータの仕事をしているので、こういったフィジカルな環境をあえて作ることで、良い感じに人間らしいカオスな部分が生まれているのが気に入っています。また、うちのオフィスはあまりお洒落じゃなくてこじらせ感があるんですよ。ここで使っている文字やレンガ模様とかもちょっと意味が分からないと思うんですが、我々の「不器用だけど一点突破がある、強い想いがある」みたいなところがうまく表現出来ている気がしています。
 
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●永田
では次に、御社の採用基準についてお聞かせください。
 
○佐藤
「しっかりとした持論を持っていて、それをきちんと自分の言葉で表明できる」というのは大事だと思っています。結局私たちがやっていることは、前例がなかったりベンチマークじゃなかったり、真似する相手がいなかったりするんです。そういった「よく分からないもの」に対して、例えば70%くらいが不確実な状態であったとしても、「これってこうだと思う!」と言い切れないと、物事が前に進んでいかないんですよ、私たちの事業。なので、そういうある種の自信とか、何かの成功体験とかを通じて、たとえ不確実な状況であってもきちんと持論を言えることは大切だと思っています。それが結果的に間違っていたとしてもそれはたいした問題ではなく、とにかく言い切れる人、そしてそれに基づいて何かを決められる人が良いですね。そうやって持論を持てる人は、周りの持論についても寛容であるって人が多いんじゃないかと思っています。逆に言うと、それだけ自分の意見をしっかり持てないと、どんなに優秀だったり良い人であってもうちの中では埋もれてしまうんです。そうなると自分の力を発揮出来ないので、辛くなってしまいますよね。そういったミスマッチが起こらないように注意していますね。
 
●永田
ミスマッチを起こさないことはとても大切ですよね。それでは次に、社内のメンバーが働きやすくなるように、意識されていることがあったら教えてください。
 
○佐藤
細かい制度上の話とかでいうと、例えばエンジニア向けだと、エンジニアコミュニティに貢献する活動を業務外でも業務内でもやっていれば個別の報酬を出したりとか、細かいことは色々とあります。ただ基本的には、制度にしないと解決出来ないのは例えば産休制度とかいくつかのことだけで、ルールってなければない方が良いと思っているんです。色々な問題って実は制度よりも、接触頻度の問題だと思っています。例えば細かく階級を制度化して評価にあてはめていくのと、定期的な面談をしたり進捗をずっと追った上で評価されるのでは、納得感が違いますよね。どんな制度よりも、評価者と評価される側のコミュニケーションの頻度を上げてお互いに時間をつくっていくことが重要だと思うので、その辺りを最近意識して改善していますね。
 
●永田
社内のメンバーに対して、接触頻度を増やすために意識されていることってありますか?
 
○佐藤
私の場合はこちらから色々働きかけるというより、相手が声をかけたりするインバウンドできる仕組みをちゃんと作っておきたいと思っています。今日も関西の社員とランチに行っていたんですけど、できるだけ「開かれている状態にする」ためにはどうすればいいか、というのは気をつけてますね。「この人今悩んでるな」なんていうのはなかなか分からないし、間違える可能性も高いので、何かがあった時に「忙しくて無理だろう」と思われないよう、できるだけオープンに声をかけやすいようにしたいと思っています。良い人をみつけて面白い人を採用したいと思ってますし、そういう人は有名な大手IT企業だって行けてしまうような高いスキルを持っているんですよ。それがあえてうちの会社に残っていることを考えると、やはり一人一人をしっかりケアするということは当然であり重要だと思っています。
 
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●永田
では最後に、今後の事業展開をお教えください。
 
○佐藤
今私たちは、雑務を自動化させて「人に人らしい仕事を」というコーポレートビジョンを実現させることを広告以外の分野でもスタートしたばかりです。そこをまずはしっかりとつくって、私たちの資産や持っている経験、才能を広く知って欲しいと思います。たとえば先ほど話した人事領域など、私たちが関わることでその業界が改善されて、お客様の課題を解決できれば良いなと思っています。まずは広告以外の業界で、成功事例を作って行きたいですね。
 
ー佐藤様 貴重なお話を誠にありがとうございましたー
 

取材協力:株式会社フリークアウト・ホールディングス 代表取締役社長 佐藤裕介 様

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