
株式会社サイバー・バズ|【2017年版】おしゃれオフィス20選
『2017年おしゃれオフィス20選』の第10弾は、「株式会社サイバー・バズ」です。大きな影響力を持つ「インフルエンサー」を60万人も抱え、様々な企業から大きな注目を集めています。リラックスしながら打ち合わせができるように工夫された会議室についてなどのオフィスについてお話を伺ってきました。
本記事の内容
60万人ものインフルエンサーと共にソーシャルメディアマーケティングを実践
●LIFE STYLE代表 永田(以下永田)
今回は弊社の取材にご協力頂きまして、ありがとうございます。初めに御社の事業についてお聞かせ下さい。
○代表取締役社長 高村彰典 様(以下高村)
弊社は、ブログ、インスタグラム、FacebookなどのSNSで発信し、人々の消費行動に強い影響を与える「インフルエンサー」を約60万人会員化しています。その方々と協力しながら口コミで商品の良さを伝えたりサービスをユーザーに広めていく、『ソーシャルメディアマーケティング』が主な事業です。そこから派生して、「実際にソーシャルでどれだけ拡散されているか」などが分析できる仕組みも提供しています。
ちょうど10年前、共同オフィスからスタート
●永田
60万人とはすごいですね!今ちょうど創業から10年だと思いますが、ここまでのオフィスの遍歴をお教え下さい。最初はどんなところからスタートされたのでしょうか?
○高村
最初のオフィスは、マークシティの外にあるオフィスビルの一室です。そこを他のグループ会社と一緒に借りてスタートし、その後一緒にマークシティに移りました。50坪くらいでしたが、移転当初、サイバー・バズは6人くらい、もう一つの会社が12、3人だったと思います。そこから2年前の3月に現在のオフィスに移りました。ここが一法人として借りた最初のオフィスになります。
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●永田
一社で借りる最初のオフィスとなると、設計や内装など高村さんご自身も加わってかなり凝ったんじゃないですか?
○高村
そうですね、内装とデザインは3社くらいでコンペをして決めました。ここは長方形で約135坪。「将来的に100名入るようにする」という目標があったので、効率よくスペースを割り振りながら、社員がリラックスして仕事がはかどるようなスペースも作りたいなと。会議室三つあって、二つは通常の会議室ですが、もう一つは「考えるための部屋」なんです。壁が全て黒板でチョークで書けるようになっていて、「普段とは違う発想ができるように」というテーマでつくりました。オフィス全体としては、ちょっと大人っぽくシックな雰囲気です。入り口なんかもちょっと暗めにして。若い社員が多いので、あえてシックに大人っぽくし、「会社の雰囲気に合うようにみんな一緒に成長していってほしい」という想いがありますね。
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●永田
現在はこの135坪の中で何人くらいが働いていらっしゃいますか?
○高村
今ちょうど社員が80名くらい、アルバイトを入れると90名くらいです。2年前の移転当初は50名弱だったので2倍近くに増えていますね。このままのペースで人が増えていくと、4月にはいっぱい、6月末からはもう一人も入れなくなるため、実は既に新しいオフィスを契約中で7月に引っ越す予定です。全員で移る訳ではなく、残るチームと移るチームがいる感じですね。新しいオフィスが約110坪なので、合計で250坪近くになりますね。
邪魔なホワイトボードを置かないために、壁一面に字が書けるガラスボードを採用
●永田
夏からまたぐっと広がるわけですね。こちらのオフィスをつくる際、社員の働きやすさを意識してこだわった部分ってありますか?
○高村
よくファミレスや喫茶店で仕事をしている人がいますが、リラックスできるから仕事もはかどるんですよね。そんな、リラックスした中で集中したり気軽に打ち合わせもできるようなスペースが、オフィスにもつくれたら良いな、と思いました。あえて広めにそんなスペースをつくり、そこでお昼も食べれたり、打ち合わせ用に色々なテーブルを置いてみたり。一方、執務スペースはけっこうぎゅうぎゅうになってしまったので、余計なものを置かないように意識しています。邪魔だなあと思うホワイトボードは極力置かず、壁に描いて消すというスタイルにしています。
●永田
この壁はホワイトボードではないんですか?
○高村
これはガラスボードです。一応ホワイトボードといえばホワイトボードなんですけど、移動式の一般的なホワイトボードと違い場所を取らないから気に入っています。あれが狭いオフィスにいくつもあると歩くのにも邪魔ですよね。このガラスボードのように、「スペースをどれだけ有効的に使えるか」「どうしたらちょっとおしゃれに見えるか」というのは意識しています。あとこだわったのはこの床ですね。このウッド。濃い色の組み合わせの木なのですが、これ実は完成までにすごく時間かかって、一回これを入れた後にニスのようなものを塗り、最終的に乾くまで半年かかったんですよ。もちろん半年間待つことは無理なので、乾いていない状態でオフィスとして使い始めて足がペタペタくっつく、みたいな。それで段々味が出てくる、というようなことを言われたんですよね。
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●永田
半年完成を待ちながら、ってすごいこだわりですね。きっと本当に、料亭やお寿司屋さんのように使えば使うほど味が出てくるのでしょうね。では次は、御社の採用のこだわりを教えてください。御社は、どういった基準で採用をされていますか?
採用の際に一番重視するのは、その人の「素直さ」
○高村
採用の際は、スキルよりは人間っぽさ、人間らしさみたいなものを大切にしていますね。簡単に言うと、「良い人」とか「素直そうな人」というのがベースにあります。自分自身が成果を上げるというよりは、チームや組織で結果を出したいというタイプを優先的に採用していると思います。新卒採用に関してはちょっと他と変わっていて、私が最初の説明会のようなところを担当して、最終内定を出すのはマネージャーなんです。私の役割は面接ではなく、事業の説明や学生との懇親会ですね。一人一人と話したり質問を受け付けたりはしますが、面接はしていないんですよ。
●永田
それは面白いですね。最後マネージャーに行くまでに、何回くらい面接あるんですか。
○高村
3、4回だと思います。採用基準は、「マネージャー本人より優秀か」「その人と、本当に一緒に働きたいか」という基準で選んでもらっていますが、そうするとマネージャー自身も採用に一所懸命になりますよね。マネージャー自身のスキルアップというか育成も必要なので、良い仕組みだと思っています。私自身、新卒入社の人たちとは最初の説明会などでしか会う機会が無いので、入社後に「社長と遊ぼう」という企画をやったりしています。人事の企画で。単なる「社長のカバン持ち」だと面白くないので、土日も含めて普段の私の一日、釣りやジムに一緒に行くという企画です。釣りに行った時はみなとみらいからボートで出て東京湾で釣ったんですよ。新卒に限らず、色々なイベントを一緒に参加することが多く、駅伝に出たり、年に3、4回はゴルフの社内コンペも開催しています。
●永田
それは単にオフィスで色々しゃべるよりもずっと交流が深められそうですね。オフィスはよく「30人の壁」「50人の壁」と言われ、組織が大きくなるにつれてどうしても、縦軸ばかりが強くなって横の関係が難しくなりますよね。理念を浸透させるためだったりコミュニケーションを良くするために、何か意識されていることはありますか?
カンパニー制にすることで各事業部がしっかりと責任を持ち、大きな組織へ
○高村
研修を定期的に開催したり、年に2回の社員総会では半期の優秀者を表彰したり、私から半期の振り返りと今後のビジョンをプレゼンするということはやっています。ただ、弊社はカンパニー制にしていて、事業部ごとに事業部採算や育成を考える仕組みになっているんです。なので、横のつながりを強くするというより、各事業部ごとが「一つの企業」と捉えて、その中でしっかりとコミュニケーションを取りながら色々考えて、どうやったらもっと大きく、もっと強くなるか、というところに注力していますね。
●永田
アメーバ経営というか。小さい集合体を大きくしていこうということですよね。
○高村
そうですそうです。各責任者同士は会議があるので、そこは横でしっかりとつながって共有しています。私自身がサイバーエージェントにいた時、確かに30人、50人、100人の壁があったんですよね。「100人」となると、ミドルマネジメントがいかに育ってくるかが重要だと思っています。その時に意識してマネージャーを育てようとするより、個別に各事業部が大きく伸びていって、気付いた時にはそれぞれの「個」が強く大きくなっている、という方が良いんじゃないかと。100人の中に新しく5人マネージャー育てようとするのって実は難しいんですよ。それなら、小さなところから自分で裁量を持ちながら大きくしていく方が、各リーダーがしっかりとコミットメントしている分、人も簡単に抜けずに強い組織になると思うんです。そして大きくなった各組織をいずれくっつけて、一気にスケールするというのが理想かなと思っています。
●永田
確かにミドル層の育成って、すごく重要なテーマになりますよね。今のお話のように進めて行くと、各自が経営意識を持ちながら育っていって、トップになったときにまたブレずにそのまま組織を大きくしていくことができる人になり得る、ということですよね。
○高村
そうなんです。急に管理職になると仕事の内容がガラリと変わり戸惑いますから。育てようとしてもなかなか育たないということを実感しているので、「100席しかないので、100人埋まったら次のステージ」という感じですね。今月もう95席で。ちょうどいっぱいになったら次のステージですね。
3年後に新卒が50%以上残っていたら、全員でハワイ旅行!
●永田
最近「助っ人採用」という面白い採用を始められたとか。
○高村
はい。助っ人採用とは、他社で働いている方に副業として当社の業務に関わって頂く仕組みです。エンジニアなどに限定せず、本社機能まで全職種で募集していて、就業形態や報酬なども個別に相談するのですが、驚くほど高いスキルや経験の方々が応募して下さっています。他にも「週に一度は定時で帰る仕組み」や、新卒が3年目で半分以上が辞めずに残っていたらハワイ旅行へ行ける「未来旅行制度」、様々な問題やテーマを話し合うJJ(自考自創)会議など、色々な仕組みがあります。先日は、女性全員対私一人という「女性版JJ会議」を開き、女性の働き方やキャリアについて、今の会社に足りないもの、結婚後や出産後にも続けるために必要な仕組みや環境をプレゼンしてもらいました。
●永田
全員女性の中に男性一人!でも、これからは女性の働きやすい環境づくりというのもとても重要ですよね。
○高村
そうなんです。社長業をやってると週末に働くことに何も違和感を感じないですが、女性には「女性の働き方」がありますよね。なので、当日は経験豊富なサイバーエージェントの人事の女性の方にもオブザーバーとして参加してもらいました。弊社の社員の半分くらいが女性なので、「女性の働きやすさ」は非常に意識しているところですね。また、子供が居る女性の働き方と言うと時短が一般的ですが、うちは今度時短を無くそうかと。成果さえ出せば、会社に来なくても、自宅→保育園→営業の直行直帰でも良いと思っていて、今はそんな仕組みづくりをしています。
●永田
弊社も女性割合が増えて来て既婚率も元々高いので、とても興味がありますね。それでは最後に、今後の事業展開をお教えください。
隙間時間に「スキルのマッチング」というマーケットの創出
○高村
弊社には約60万人のインフルエンサーが登録している、と最初にお話ししましたが、本業はOLだったり主婦だったり、隙間時間で情報を発信している人が多いんですね。言い換えると、インフルエンサーって「自分の空いてる時間を有効に使ったビジネス」なんです。これがさらに発展すると、「空いてる時間で自分のスキルを貸し出せる」というような、そんなマーケットができるんじゃないかと思っています。具体的に言うと、「インフルエンサー」の方々の持つ影響力だけではなく、各々が持っているビジネススキルをマッチングさせるんです。例えば都内でバリバリ働いていた方が結婚やご主人の転勤で地方に行った場合、なかなか見合った仕事が見つからないと聞きます。そこで、「1日3時間経理を手伝います」というマッチングができれば、企業にとってはコスト削減、働く側は高いスキルを活かせて、双方にメリットがありますよね。これってまさに、「空き時間の有効活用」という意味で今のインフルエンサーの延長線上だと思うので、そんなマーケットを作っていけたら、と思っています。
●永田
インフルエンサーは今60万人くらいいらっしゃるんですよね?
○高村
はい。その中でとてつもなく影響力が強い人たちは1万3千人くらいですね。今特にインスタグラムが伸びていまして、中でも影響力の強い30人だけで200万人のリーチがとれるんですよ。「一般人だけど影響力が強い人たち」が10万人以上いるので、その方達で動画や広告を作ったり、弊社で広告のマネジメントをしっかりしたり、ということも考えています。何かを発信する際、仕事となると著作権や盗用問題など、色々と守らなくてはならないルールがあるので、その辺りをきちんと私たちが管理できれば。弊社の大きな事業である「インフルエンサーマーケット」をさらにビジネスよりにしていきたいというのが今後の展望ですね。
●永田
今後ますます、個人にチャンスが多い時代になってきますね。本日はありがとうございました。
ー高村様 貴重なお話を誠にありがとうございましたー
取材協力:株式会社サイバー・バズ 代表取締役社長 高村彰典 様
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