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【Googleストリートビュー導入インタビュー】西武鉄道様「52席の至福」

1912年の設立から100年以上に渡り東京都民・埼玉県民の重要な交通を担ってきた西武鉄道。池袋から秩父・飯能方面へ行く西武池袋線、小平や拝島方面への西武新宿線に加え、現在は乗り入れの範囲も大幅に広がっています。もちろん、西武デパート・西武ドームを本拠地とする西武ライオンズなど、鉄道事業にとどまらない広がりは言うまでもありません。
 
様々な「百周年事業」を行ってきた西武鉄道が、「集大成」として発表したのが「旅するレストラン 52席の至福」です。
 

※クリックでホームページに飛びます
 
今回はこの美しいレストラン列車にストリートビューを導入頂いたので、ご担当者の『スマイル&スマイル室』の野田政成様に、いろいろとお話を伺いました。
 

スマイル&スマイル室 野田政成様

100周年事業で誕生した「西武旅するレストラン 〜52席の至福〜」

LIFE STYLE(以下LS)この度は弊社でストリートビューの撮影を行わせて頂き、まことにありがとうございます。まずはこの、まるでヨーロッパの旅列車のように美しい「52席の至福」についてご紹介ください。
 
●野田様
西武鉄道は2012年で設立100年を迎えました。私たちはこの数年間、様々な百周年事業を行ってきましたが、この「52席の至福」はその集大成です。52型(4000系4両1編成)の昔ながらの列車を大改造し、52席に。こちらは鉄道というより「レストラン」だと考えています。だからこのようにゆったりとした座席でくつろげる空間にすることが大切だと思いました。
 

 
一番の目玉であるお料理はもちろん、内装・外の絵・使っている素材などあらゆるところに「西武らしさ」「西武沿線ならではのコンテンツ」を盛り込んでいます。西武線沿線は都心から出発しているにもかかわらず、大変自然豊かなエリアです。そう言った自然の美しさやこの近隣で採れる食材、沿線に住む様々な方々の魅力を伝えられる列車でありたいと考えています。

西武旅するレストラン 「52席の至福」の数々のこだわり

(LS)まるで星付きのレストランかホテルのようですね。それではこの列車の、様々なこだわりをお聞かせください。
 
●野田様
一番こだわったのは、浅草文化観光センターや太宰府のスターバックスなど、美しく個性的な建造物で有名な建築家の隈研吾さんに依頼したことです。通常車両を変える時はその専門の方にお願いするのが一般的ですが、どうしても隈さんに作って頂きたくて。隈さんも車両の設計は初めてだったので、その分とても楽しんでくださいましたね。
 
全体のコンセプトとしては、秩父や飯能などの自然をイメージし、「木の豊かさ」を伝えたい、と。また西武線沿線の長瀞は川下りなども有名なので、川の流れやうねりも木で表現したかったんです。こういったわがままな要望を全て見事に叶えて頂いたと思います。
 

 
(LS)天井にしつらえられた見事な木のデザインは、どちらも思わず息をのむほどの美しさです。4車両それぞれにもテーマがあると伺いました。
 
●野田様
はい。4両車両の各部屋が春夏秋冬の四季を表現しています。各車両の外側には、隈さんが四季の絵を描いてくださいました。春は秩父や長瀞で有名な芝桜。夏は水。西武線沿線は長瀞をはじめ多くの川が流れていますから。秋は秩父連山の紅葉。そして冬は、秩父で3箇所で見られる氷柱(つらら)です。
 

※冬の氷柱が描かれている車両
 
(LS)列車の中も外も、西武線沿線の様々な自然をモチーフにされているのですね。2号車・4号車の説明もお願いいたします。
 
●野田様
2号車はユネスコにも登録されている和紙に渋柿を塗った渋柿和紙の天井、そして4号車は飯能の木材である西川材を利用して、川のうねりをイメージしました。この二つの天井は最も力を入れたところで、この空間で日常を忘れて外の景色と美味しいお料理を楽しむ特別なひとときを過ごしてもらいたいですね。
 
列車の間にかかっているのれんは、秩父の工芸品である秩父銘仙(絹織物)を使用しています。
 

☆秩父銘仙(絹織物)で作られたのれん
 
(LS)時々トンネルに入った時に一気に雰囲気がガラリと変わり、ランプのような灯りがとても暖かく落ち着いた空間になりますね。
 
●野田様
そうですね。夜はまたグッと雰囲気が変わります。このレストラン列車は2016年4月から運行を開始したので、私たちも慣れてきて様々な改善点も見えてきたところです。外の景色を楽しみに来た方は、これからの季節夕暮れも早まるのでなかなか景色が見づらくなってしまいます。
 
その分、景色が見えなくても楽しんでもらえるように、沿線に住むシンガーソングライターの方がライブを行ったり、クラッシックの演奏をしたり色々企画を考えています。そこでもまた、沿線の方々との縁が出来ていくのが嬉しいですね。
 

☆陽が落ちてからの車内の雰囲気

「温かいお料理でもてなしたい」という想い

(LS)実際にご乗車頂いたお客様からはどのようなお声が届いていますか?
 
●野田様
やはり一番多いのは、料理が美味しいということです。他の鉄道でもこのようにゆったりと食事をとれるところもありますが、ほとんどがお弁当なんです。そうするとやはり冷たかったり、ちょっと味気ないですよね。そこで私たちは、レストラン電車である以上、しっかりとお皿に盛って提供したいと。そのために3号車は丸々厨房車両になっています。
 

 
お料理を出すタイミングは一緒なので食事時は戦争ですよ。でも、「乗る前は高いと思ったけど、降りるときには値段以上だと思った」との声を多数頂いているので、頑張っている甲斐がありますね。
 
(LS)暖かいお料理がお皿で運ばれてくる列車は少ないので、そんな機会を東京近郊で味わえるのはとても贅沢です。
 

 
●野田様
こちらにご乗車頂くと、西武線のフリー切符もお渡しいたします。お食事はこの列車内で、その前後はあちこちで降りて買い物をしたり観光をしながら一日中楽しんでほしいと思っています。

Googleストリートビューの導入と目的

(LS)では最後にGoogleストリートビューについてお聞かせください。導入を決められた理由は何でしょうか。
 

☆「52席の至福」車内のGoogleストリートビュー
 
●野田様
他社の列車で、Googleストリートビューを導入しているのをたまたま見たんです。それを見て、「あ、お客さんに予備知識を持ってもらうためにはとても良い!」とピンときて。この列車はお食事がメインなので一般の電車よりもかなり高額ですが、実際に乗車するまで中を見ることができません。なのでよく知ってもらう前に「高い!」だけで終わってしまう方も多いと思うんです。
 
その点、Googleストリートビューで事前に車内の様子を見てもらえば十分に魅力が伝わる上に、チケットを買ってからは「こんな車内なんだ!」と予約の日を心待ちにして時々覗いてもらえたら良いなぁと。
 

 
(LS)予約前の下見と、待っている間のワクワク感をGoogleストリートビューで味わえるわけですね。
 
●野田さん
そうですね。Googleストリートビューの存在は知っていましたが、まさか室内も撮れるなんて知らなかったので良い発見でした。何か特別な記念などで予約されるお客様も多いので、乗る前からGoogleストリートビューで気分を最高に盛り上げてご乗車頂きたいですね。
 
社員一同、最高のおもてなしができるよう、お待ちしています。
 

(LS)野田様、素敵なお話をありがとうございました!
 
こちらの美しい車両。西武鉄道の社会貢献事業のために月に一度、格安(一人千円)で走らせて沿線でチューリップを植えたり除草作業を手伝ったり、地元の人たちと触れ合う様々なイベントも開催しています。10月からの秋メニューの考案はあの落合シェフ。西武新宿と本川越の運行開始を記念して着物レンタル&着付けがセットの特別プラン(12月18日のランチのみ)の登場など、様々なプランが続々と登場します。
 
「52席の至福」で行く!着物で優雅なブランチ&川越散歩
特製おせち料理を提供する初詣運行※2017年1月2日(月・祝)・3日(火)の西武新宿⇔本川越駅間のみ
 
お腹も心も絶対に満たされる「西武鉄道旅するレストラン 52席の至福」。
 

 
ぜひ特別な日に乗車してみたいですね。
☆ホリプロ所属で鉄道に詳しい久野知美アナウンサーと。(「52席の至福」の車内アナウンスも担当)

編集部 :