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【ITベンチャーおしゃれオフィス20選】株式会社ヒトカラメディア

特別企画「ITベンチャーおしゃれオフィス20選」。IT関連ベンチャー企業のオフィスにお邪魔し、担当者のお話をお聞かせいただくこの企画。おかげさまで第3回を迎えることができました。
 
今回お邪魔したのは「株式会社ヒトカラメディア」です。2013年5月設立のまだ新しい会社ですが、少し変わったビジネスを展開していることで、注目を浴びています。ベンチャー企業、スタートアップ企業を主な対象に、オフィス移転の支援というビジネスを展開しています。単に物件を仲介するだけでなく、働く人の能力を引き出す空間のデザインなども手がけます。同社は「最も効果的な“オフィス戦略”を提案する」とアピールしています。
 
オフィス移転のみならず、オフィスづくりにも積極的に取り組むヒトカラメディアさんのオフィスは、社業のあるべき姿を示したものになっています。社員自ら工具を手にし、社員の手でオフィス家具や内装を作り上げたそうです。こうして作ったオフィスには愛着がわき、結果として居心地の良い空間になりそうですね。
 
今回は、代表取締役を務める高井淳一郎氏にお話しいただきました。物件仲介だけでなく、オフィスで働く人の「働き方」まで意識してオフィス空間を作っているだけあって、「働き方」について面白いお話を聞くことができました。また、社員自身の手で作り上げたヒトカラメディアのオフィスについてもお話しいただきました。
 

株式会社ヒトカラメディア 代表取締役 高井淳一郎氏
 
――ヒトカラメディアさんは、ベンチャー・スタートアップ向けに「オフィス移転ソリューション」を提供されているとのことですが、物件の仲介のほかに、どのようなサービスを提供されているのですか。
 
高井淳一郎氏(以下:高井):ヒトカラメディアでは「オフィス移転プロデュース」と「オフィス内装プランニング」の2つの事業を主に手がけています。私たちは「『都市』と『地方』の『働く』と『暮らす』をもっとオモシロくする」ということをミッションとしています。特にベンチャー企業やスタートアップ企業を対象に、働く皆さんの「働く場」と「働き方」をより生き生きとしたものにする提案を続けています。
 
具体的には、「どう働きたいのか」「どのような場所にしたいのか」「会社をどのような組織にしていきたいのか」といったことをお聞きして、オフィスの物件を仲介したり、オフィスの空間をプロデュースしています。お客さんは「オフィス空間をどういうものにしていきたいのか」という「思い」を持っているはずだと考えています。その部分を形にする「プロセス」を大切にしています。後でお話しするつもりですが、私たち自身が働くオフィスを作った時の話に、その思いが現れています。
 
――「働き方」「働く空間」に対する価値観は変わってきていると思います。高井さんはいかがお考えでしょうか。
 
高井:価値観が激しく変遷していることは確かでしょう。例えば高度成長期のように、車やテレビなど「モノ」を買っただけで気分が良くなるといった時代は終わりました。目に見えない、ソフトな物に価値を見いだす時代になってきたと思います。
 
「働き方」や「暮らし方」を考えると、「もはや、選択肢は東京だけではない」という時代になったと思います。交通、通信のインフラが整い、例えば東京で働きながら、軽井沢で暮らすという事が可能になりました。
 
このような時代の変遷を踏まえて、改めて「働き方」を考えてみると、「企業価値」という言葉の意味も変わったと思います。会社のサービスとかプロダクトとか業績が企業価値を作っていた時代は過ぎ、会社の文化や、雰囲気も企業価値を形作る大切な要素になったと思います。
 
これからの企業は、業績など数字として見える部分だけではなく、「働き方」や「暮らし方」の部分でも企業の価値を高めていかなければならないと感じています。
 
――先ほど、少しお話しいただきましたが、ヒトカラメディアさんでは、自社のオフィスを社員の皆さんの手で作り上げたとお聞きしました。その理由についてお話しいただけますか?
 
高井:大きく2つの理由があります。1つ目は、メンバーにとって居心地が良く、愛着をもってもらうようなオフィスにしようと考えたからです。そしてもう1つは、私たちの仕事について知ってもらうきっかけとなる場所を作りたいと思ったからです。そう考えたとき、思い付いた方法がオフィスを社員自身の手でつくり上げるという方法でした。
 
社員全員でオフィスについて考えて、デザインに落とすだけで「かっこいいオフィスを作ります」というのは、私たちの事業を考えると「違う」と思います。私たちはお客さんの「こうありたいと考える働き方」や「オフィスにかける思い」「こうありたいと思う会社の未来像」などをお聞きして、オフィスづくりのお手伝いをしているわけですから。ただおしゃれにしたいからという理由だけでオフィスを手作りしているわけではありません。
 
――オフィスを手作りされたときに特別こだわった点などはありますか?
 
高井:オフィス内の什器なども手作りしたわけですが、社員達がホームセンターに足を運んで素材を調達するところから始めました。この机なども、休日を利用して社員全員で作り上げたものです。ミーティングスペースの床は、カラーパレットの上に薄いベニア板を敷き、角材を並べフローリングを作りました。
 
プロの内装のコーディネートの方と事業でお付き合いさせていただいているので、お願いしてきれいに仕上げてもらうこともできました。確かにお金をかければきれいにできます。そして、社員が自分たちの手で作ったオフィスには完璧でないところも残っています。しかし、そういうところにこそ社員の思いがこもっていて、何とも言えない良い雰囲気が出ていると思います。
 
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ミーティングスペース。横から見るとカラーパレットの上に角材が載っていることが分かる。
 
もう1つ、大きな特徴としてあえて壁を設けていない点が挙げられます。壁を立てて会議室を作ろうとすると、費用がかかりますが、壁を作らなかった理由はそれだけではありません。オフィスに壁を設けないと、広い空間を確保でき、レイアウト変更時の自由度がかなり上がります。例えば社内でイベントを開くとき、荷物を全て移動させて場所を確保することがあります。これも、壁を設けなかったことで可能になったのです。
 
壁を排除し、レイアウトをすぐ変更できるような柔軟なオフィスにすることで、僕らのようなベンチャー企業の成長ペースにも柔軟に合わせられると思っています。
 
もちろんデメリットもあります。話し声がオフィス中に筒抜けになってしまうことです。とはいえ、従業員個々人が話している内容は、耳を研ぎすまさないと分からないと思います。このデメリットは、オフィスに音楽を流すことで解消しています。
 
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執務スペース。壁を排除し、自由にレイアウトを変更できるようにしている。
 
――最後に今後の事業ビジョンを教えてください。
 
高井:「働き方」を変えていきたいと思っています。平日の決まった時間に出社し、効率よく整然と並んだデスクで作業し、打ち合わせのときには閉じた会議スペースに行き、少し残業をして帰る。多くの人にとって、「働く」という言葉はこういうことを指していると思います。これを変えていきたいと思います。
 
日本では「働く場」や「働き方」の形は、あまり変化してきませんでした。しかし、これからは違うと思っています。企業やそこで働く個々人が、自身の求めるより良い「働く場」や「働き方」を追求していく時代です。ヒトカラメディアは「働く環境のプロ」として、世の中に「いきいきとした組織や個人」を増やすことをビジョンとして掲げています。「いきいき」を増やし、世の中にオモシロいことを増やしていきたいですね。
 

ヒトカラメディアのメンバー。「働く環境のプロ」が揃っている。

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編集部 :