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VRと相性の良い業界7選!VRで各業界はどうなる?

 
ビジネスでも活用できるVRが普及し始めて、早くも一年以上経っています。各業界において、すでにVRは様々な活用方法で効果を発揮しており、今までの常識を覆す事例もたくさん現れてきています。今後の各業界がVRによってどうなっていくのか、また相性の良い業界はどこなのか、事例と合わせてご紹介します。
 

【目次】
VRと相性の良い業界
 1. 不動産|距離や時間を気にせず内見できる
 2. メディア|より正確な情報を能動的に受け取れる
 3. 小売|バーチャル上での商品購入
 4. アパレル|ファッションにおけるVR
 5. 教育|学習意欲を向上させる
 6. ブライダル|下見がより容易になる
 7. レジャー|VRの注目度や人気の現れ
まとめ

 


 

VRと相性の良い業界

 
遠距離のロケーションや入るのが難しい場所などでも、まるで本当にそこにいるかのような体験をすることができるVR。今回はそのVRが各業界にもたらした導入事例や、効果を説明していきます。
 

1. 不動産

不動産業界ではVRでの内見が積極的に採用されています。今までは遠距離の住居を内見したいと考えても、その距離の問題から直接見ることができず、実際に入居した段階でそのギャップに戸惑うといった問題が起こっていました。また実際に内見ができる環境にいたとしても、一軒あたりの内見にかかる時間の関係などから、限られた数しか見ることができませんでした。
 
その問題点を解決するためにVRによる内見を開始。家にいても可能なVRでの内見は、距離や時間の制約など、内見におけるさまざまな問題を解消しました。実際にVR内見を導入している企業は増えてきており、その注目度はますます高くなっています。
 

 
例えば上の動画は「住友不動産」がいち早くVR内見を導入し、それまでの課題であった入居後のギャップや、海外の顧客が内見できないという問題の解決のために用いました。今後は奥行きの立体感が増す撮影が可能になるなど、よりリアルな風景を味わうことができるようになります。VRの内見がさらにリアルかつ、没入感の高いものになっていくことで、直接内見のために足を運ぶことはなくなるのかもしれません。
 

2. メディア|より正確な情報を能動的に受け取れる

360度コンテンツを使った広告やプロモーションは、写真や動画などの物事の側面を切り取った情報ではなく、広い視点でさまざまなところを見ることができます。見る場所が増えることでユーザーにさらに正確な情報を届けることが可能です。情報をただ与えられるのではなく、ユーザーが興味を持って行動し、必要な情報を自分で選択することができるのです。
 
また実際に、360度コンテンツをニュースやプロモーションに使った場合の効果やユーザーの興味などを、日本最大級のプレスリリース配信サイト、「PR Times」でVRコンテンツを導入することによるユーザーの興味向上の高い効果について発表しています。
 
配信するプレスリリース内に360度コンテンツを埋め込んだ際、読了率が約70%、平均滞在時間が4分29秒となりました。360度コンテンツを導入していないプレスリリースの平均ページ滞在時間は2分9秒だったので、平均の倍以上のページ滞在時間を獲得しています。
 
また下図のようなヒートマップを用いてユーザーの興味がどこに集まっているかも調査しました。
 

(画像参照元:業界初のVRコンテンツを埋め込んだプレスリリース配信が可能に PR TIMESとLIFE STYLE社が事業提携
 
右図の暖色になっている部分がよく見られている箇所となっており、この図をみれば360度コンテンツがよく見られているのは一目瞭然です。今後メディアが情報を伝える際には、ユーザーが見たい場所を見ることのできる360度コンテンツを挿入することで、読み手の興味関心を引く事例が増えていくのではないでしょうか。
 

3. 小売|バーチャル上での商品購入

小売店でもVRは活用されています。VRでのツアーを行いながら商品を購入することができるようにコンテンツを作り、ECサイトのように扱うなどしています。
 
スーパーマーケットの大手であるアメリカのウォルマートは、VRショッピングの起業を支援する事業「Store No.8」を立ち上げました。「Store No.8」はVR・自動運転車両・ドローン配送・ユーザーに応じたサービスなど、小売体験を作り変える起業支援事業として存在しており、ロボット工学やVR/AR・機械学習及び人工知能に焦点を当てています。
 
また日本では「PALCO」がVRショッピングできるサイトとして「VR PALCO」を期間限定でオープンさせました。店内を360度写真で撮影し、バーチャルツアーで自由に歩けるように設定しています。途中で気になる商品があればそれをクリックすることで実際に購入することもできます。
 

 
バーチャルツアーが増加している近年、すべての小売店がインターネット上でのショッピングに対応する日も決して遠くないのかもしれません。
 

4. アパレル|ファッションにおけるVR

上の小売に近いものですが、アパレルの業界もVRによってショッピングが可能になりつつあります。衣類を360度撮影し、VRで家にいながらにしてぐるりと見回すことができます。気に入ったものはもちろんその場で購入することもできます。
 
Psychic VR Lab」という会社はVRを使ったアパレル業界に注力しており、「STYLY」というVRプラットフォーム上で衣類をチェック・購入することができます。
 
また「Dior」や「TOMMY HILFIGER」などのブランドは下の動画のようにファッションショーのバックステージや最中などをVRコンテンツとして製作し、臨場感のある雰囲気ごと楽しめるというプロモーションを行い、ブランドをより近いものとして認知してもらう施策なども行っています。
 

 

5. 教育|学習意欲を向上させる

教育のためにVRを用いた事例は決して珍しいものではありません。教育・訓練のためにVRを用いるメリットは、まず何よりもコストの削減が挙げられます。どこかへ行く、機材をそろえる、そこにかかるはずの費用はVRで補う事で全くかかりません。どんな状況も作り出す事ができるので、貴重な体験を容易に何度も体験する事ができるのです。
 
以下に掲載するのは実際にVRを学習に用いた事例です。VRを使った授業を受けた組と、通常の講義形式で授業を受けた組。そしてさらにそれらのグループを試験を受けるタイミング を分けた実験結果です。VRでのインプットは、通常の講義形式での学習よりも学習効率が良い事がわかります。
 

VRIT:VRの授業を受けた直後にテストを受けたグループ
CIT:通常の授業を受けた直後にテストを受けたグループ
VRRT:VRの授業を受けた2週間後にテストを受けたグループ
CRT:通常の授業を受けた2週間後にテストを受けたグループ

 
こちらの結果としては、VRでの授業を受けたグループの方が通常の授業を受けたグループよりも27.4%もの高得点を出したという結果になっています。VRを用いて主体性を持って学習したグループの方が理解度がより高いことがわかります。さらに授業を受けた二週間後にテストを受けたそれぞれのグループの得点を比較した結果では、VRでの授業を受けたグループの方が通常の授業を受けたグループよりも32.4%も高い得点をとっています。VRを使って授業内容を体験として学習したグループは、通常の授業を受けたグループよりも知識の定着率が高いということがわかる結果です。
 
このようにVRでの学習はコストを抑えて貴重な体験ができ、さらに効果も非常に高い事がわかります。おそらく今後、導入に踏み切る学校も多いことでしょう。
 

6. ブライダル|下見がより容易になる

不動産業界での使い方に非常に似ていますが、ブライダルにおけるVRの使い方は主に下見や当日の雰囲気を感じるために使われます。
 

 
上の動画のように結婚式場を下見するためのコンテンツが増えています。時間や距離の制約がある場合、下見をしないまま結婚式に臨む可能性もありますが、一度も現地に行かず本番を迎えるのはやはり不安でしょう。VRコンテンツを使うことで、その不安を取り除き、実際に行ったのと変わらない体験を持つことができます。
 

7. レジャー|VRの注目度や人気の現れ

VRコンテンツの使い道としてもっとも盛り上がっているのはやはりレジャーとしてでしょう。近年は都市部を中心に、VR体験のできる施設が数多く登場しています。中でも東京にある「VR PARK TOKYO」や「VR ZONE SHINJUKU」、長崎のハウステンボスにあるVRコンテンツなどは規模も大きく、老若男女問わず訪れています。
 

【参考】
▶︎これを見ておけばオッケー!「VR ZONE SHINJUKU」徹底ガイド
▶︎梅雨間近!雨の日に楽しむVR体験イベント・施設6選

 
概ねVRゴーグルを装着した上で体験するものばかりです。ホラー・スポーツ・SF・ファンタジーなど、数多くのVRコンテンツを体験することができます。家庭用のコンテンツも徐々に増えてきており、対応しているVRゴーグルも近年どんどん増えてきています。
 
今後はVRでのコミュニケーションが増えてくることも予想されており、バーチャル上でゲームを楽しみながら互いに交流する場所もでてくることでしょう。
 

まとめ

 
以上がVRと相性の良い業界7選でした。もちろんこれ以外の業界でもVRを使っている事例はたくさんあり、VRはいかなる業界においても活用できる可能性を備えたテクノロジーだと言えます。今後ますます技術が発展し、できることが広がっていった時に次はどんな影響を及ぼしていくのか要注目ですね。
 

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