
【ITベンチャーおしゃれオフィス20選】株式会社コロプラ
特別企画「ITベンチャーおしゃれオフィス20選」が最終回を迎えました。今回は、「株式会社コロプラ」にお邪魔しました。
同社の歴史は2003年5月までさかのぼります。馬場功淳氏が、携帯電話の位置登録機能を利用したゲーム「コロニーな生活」を公開しました。馬場氏は後にコロプラを創業し、代表取締役社長となりますが、当時はあくまで個人の活動としてゲームを運営していました。
コロプラの創業は2008年10月。その後は、位置情報を利用したゲームの提供で成長していきます。ちなみに、位置情報を利用したゲームの略称である「位置ゲー」は同社の登録商標になっています。
日本におけるスマートフォン黎明期であった2011年から、スマートフォン向けゲームの制作、開発、配信をいち早く始めます。数々のヒットタイトルも現れ、この事業は現在、同社の柱となっています。
今回は同社の取締役 Co-Founderである千葉功太郎氏にお話を伺いました。創業以来、オフィス移転の際には陣頭指揮を執ってきたという千葉氏に、従業員の働き方を考えたオフィスの作り方についてお話しいただきました。
株式会社コロプラ 取締役 Co-Founder 千葉功太郎氏
ヒットタイトルを積み上げていく
――コロプラさんは、現時点ではどのような事業に取り組まれていますか?
千葉功太郎氏(以下:千葉):スマートフォンゲームの企画、制作、配信が主たる事業です。代表作としては「白猫プロジェクト」や「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」が挙げられます。
コロプラのゲーム事業は「積上型の売上モデル」を目指しております。多数のゲーム・タイトルを世に出し、その中から1つでも多くのヒットタイトルを作り、積み上げていく。ヒットタイトルの層が積み重なれば、売上も積み上がるというモデルです。
今後は、IP(知的財産権)を活用したビジネスも展開できればと考えております。コロプラが配信しているゲームは、登場するキャラクターなども含めてほとんどが内製です。ヒットしたゲームのキャラクターなどを活かしていくことも可能だと思います。
ゲーム事業は海外展開も進めています。英語圏と東アジアを中心に、全世界に向けてゲームを配信しています。配信ルートは、それぞれの国の商習慣や市場に合わせて変えています。コロプラが直接配信する場合もあれば、パートナー企業を通して配信する場合もあります。また、最近では現地法人を設立し、そこから配信するというパターンもあります。
今後の成長を期待して取り組んでいる事業もあります。VR(Virtual Reality)事業です。VRの市場は今後大きく伸びるという調査結果が各方面から出ています。コロプラでは2014年からVRに注目し、「白猫VRプロジェクト」など2本のゲームをすでに提供しています。現在はVR向けのオリジナルゲームを開発しており、2016年春には2本の新作をリリースする予定です。さらに昨年、2015年11月にはVR向けに360度動画サービスを展開する100%子会社・360Channelを設立、2016年1月には国内外のVR事業会社を対象とした、5,000万ドル規模の「Colopl VR Fund」を設立しました。VRの市場は今後大きく伸びるという調査結果が各方面から出ています。このように、コロプラはVRが新しいプラットフォームになる未来を信じて、グループ全体でしっかりと取り組んでいきたいと考えています。
家みたいなオフィスを作る
――これまで何度かオフィスを移転してきたと思いますが、新しいオフィスに移るときに毎回一貫して意識していたことはありますか?
千葉:創業から事業の成長に合わせてオフィスを5回移転しました。現在の拠点は6拠点目となります。移転の際に意識していたこととしてはまず、ワンフロアにすることが挙げられます。
これは、メンバー同士のコミュニケーションが大切と考えてのことです。フロアが複数になってしまうと、メンバー同士のコミュニケーションが難しくなることがあります。コロプラでは、とにかくコミュニケーションを取りやすくしようと考えています。そのために、メンバー同士が気軽にコミュニケーションできるワンフロア構成にこだわっています。
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さらに、オフィスにはなるべく仕切りを作らないということも意識しています。メンバー全員の顔が見えて、風通しの良い環境を作って、コミュニケーションを促進しようと考えてのことです。
――オフィス移転のプロジェクトは千葉さまが責任者となって進められたとのことですが、千葉さま個人としてこだわった部分についてお聞かせ願えますか?
千葉:数えきれないほどあります! すべてについてお話ししようとすると時間がいくらあっても足りないくらいです。今回は、最もこだわった部分についてお話ししようかと思います。
最もこだわったことは、「家のようなオフィスを作る」ということです。家のように居心地が良い空間ということですね。具体的には、姿勢を崩してリラックスできる共有スペースを作りました。大人数でも利用できるように、共有スペースは思いっきり広くしました。
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コロプラのメンバーの多くはゲーム開発に携わっているのですが、ゲームを開発していると、朝出社してから夜帰宅するまで、オフィスから一歩も外へ出ないことが多いのです。
このように長時間いる場所ですから、居心地が悪いと気分も悪くなると思うのです。だから、家のように居心地が良いオフィスを作ろうと思ったわけです。一軒家のように庭があったり、こもって作業する部屋があったり、リビングのようにみんなで気軽に集まる場所があったりします。いろいろな空間があって、みんなで集まるにも、1人で集中して作業するにも便利な環境を作ろうと考えました。
さらに、先ほどワンフロアにこだわっていると言いましたが、規模の拡大に伴い、今回はじめてオフィスフロアが分かれてしまいました。そのため、コミュニケーションロスが発生しないよう配慮しました。例えば、リビングのようにくつろげる場所を、あえて執務スペースの出入り口付近に作ることで、コミュニケーションが自然発生的に起きるような工夫をしています。
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とはいえ、費用はそれほどかけておらず、一般的なオフィスと同じくらいの費用で作りました。経営者としては、合理的な値段で見た目も居心地も良い物を作るということが大切だと思っていますから。什器なども良質で安いものを選んだり、メンバーに自作してもらったりして、余計なコストはかけないようにしました。
什器をメンバーで自作したということには、「自分たちの手で作り上げたものを使う」という意識を持ってもらうという狙いもあります。引っ越しの前に皆で協力して自作したのですが、その結果出来上がったものには、既成品にはない味があり、自分たちで作り上げたものなので愛着も湧くという声があります。
結果と数字と人の意見を素直に受け入れられる人材
――急激にメンバーが増えたそうですが、人材を採用するときに大切にしている基準はありますか?
千葉:「素直さ」を一番大切にしています。どのような職種でも、どのような年齢層でも、素直さが最も大切です。これは言いなりという意味ではなく、結果や数字、人からの意見を素直に受け入れられるという意味です。素直に受け入れて、自己を改善して成長していける人材がいいですね。
これは社長だろうと、アルバイトだろうとコロプラで働く人間すべてに共通することです。少ない人数で大きな成果を出そうとしているのですから、全員が成長していかなければならないということです。
ゲームの会社として世界一に
――今後、事業をどのように成長させていこうとお考えですか?
千葉:まずは、ゲームをたくさん作っていくということになると思います。ゲームの会社として世界一を目指しています。そのためには、ゲームを作ってヒットさせ、そのゲームを毎年アップデートして、継続してヒットさせていくということが必要だと思います。
とはいえ、これは言うのは簡単ですが実際にやり遂げるのは非常に難しいことです。その難しいことへの挑戦を続けるうちに、世界が見えてくると思います。
ゲームを軸にした、さまざまなエンターテインメント事業も広げていきたいですね。現在は、ゲームの世界観を反映させたレストランやカフェを展開したり、ゲームをテーマにしたリアルイベントを開催したりしていますが、それにとどまらずゲームを原案にした漫画や映画もできるかもしれません。
VRの事業にも期待しています。人間の性質として、VRを体験したらある意味後戻りできないと思います。VRを体験した後で、普通のテレビ画面を見たら「平べったくってパッとしないな」と感じてしまうはずです。VRには、人間がコンテンツを楽しむ方法を一変させるような力があると思います。ゲームの提供はもちろんのこと、スポーツ観戦やコンサート鑑賞など、映像領域においてもいち早くサービスを提供していけたらと考えています。
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