【ITベンチャーおしゃれオフィス20選】クックパッド株式会社

筆者: 編集部

特別企画「ITベンチャーおしゃれオフィス20選」も第16回を迎えました。今回は、「クックパッド株式会社」でお話を伺いました。
 
クックパッドは1997年に神奈川県藤沢市で創業し、1998年に料理レシピの投稿・検索ができるWebサイト「クックパッド」を開設しました。
 
その後、携帯キャリア事業者3社がクックパッドをフィーチャーフォン向けの公式サービスとしたことでユーザー数が大幅に増加しました。携帯電話の主流がスマートフォンに移った後も順調にユーザー数を伸ばし、現在では20~40代女性を中心に月間5500万人以上が利用する日本最大のレシピサービスとなりました。広告事業や有料会員向けサービスも順調に成長し、2011年12月には東証一部に上場を果たしました。
 
クックパッドは2014年9月に、現在の恵比寿オフィスに移転しました。移転に当たって、新オフィスのプロジェクト・マネジメントから、企画、設計まで担当したという、人事部ワークプレイスグループ ワークプレイスプロデューサーの梶尾俊氏のお話を伺いました。
 
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クックパッド株式会社 人事部ワークプレイスグループ ワークプレイスプロデューサーの梶尾俊氏

日本最大のレシピサービス「クックパッド」

――クックパッドさんの事業について、全体像をお話しいただけますか。
 
梶尾俊氏(以下:梶尾):基本となる事業は、個人のユーザーさんがインターネット上で料理のレシピを投稿・検索できるサービス「クックパッド」の運営です。投稿いただいたレシピは誰でも自由に見ていただくことができます。レシピを人気順で検索したり、専門家がレシピを厳選して紹介するなどのサービスを提供する有料のプレミアムサービス(月額280円/税抜、iPhone、iPadアプリからのご登録の場合のみ金額が異なります)もございます。
 
最近は、レシピサービスの事業で培った知見、経験を活かして、人々の「生活」全体に関わるサービスを拡充するべく、様々な新規事業に注力しています。
 
もう1つ、海外にも進出しています。日本で大変好評を頂いている、レシピサービスの事業を海外でも展開しているのです。海外でレシピサービスを展開していた企業にもクックパッドグループに加わってもらい、現在では、英語、スペイン語、インドネシア語、アラビア語といった各言語圏でのサービスを提供しています。
 
海外進出の背景には、企業理念である「毎日の料理を楽しみに」を世界に広げたいという考えがあります。「料理」や「食」は世界中どこにでもある共通言語のようなものです。クックパッドのレシピサービスを通じて、食文化の発信、発展につながればうれしいですね。

オフィスでもキッチンでもコミュニケーション

――オフィスについてお聞かせ下さい。移転前と比べて大きく変えたところはどこですか?
 
梶尾:大きなキーワードとして「コミュニケーション」が挙げられます。移転前のオフィスは、増床を繰り返して3フロアに分かれていました。こうなると、同じフロアにいる人とは話す機会を多く持てると思いますが、ほかのフロアにいる人とは顔を合わせることも少なくなってきます。
 
そこで今回の移転では、オフィスで働く全員を1フロアに集めようと決めて、十分な床面積がある物件を探しました。
 
希望の物件が見つかり、1フロアに全員が集まり、職種や所属部署を問わず気軽にコミュニケーションが取れる環境ができました。オフィスを設計するときは、社員同士のコミュニケーションを阻害しないように極力仕切りを作らないようにしました。さらに、コミュニケーションを活性化させるために、オフィス内のいろいろなところに人が集まれる場所を作りました。
 
例えば、執務エリアのあちこちに椅子と机とホワイト・ボードを設置しました。会議室とは異なり、予約することなく使えるので、何かを思いついたときにすぐに議論を始めることができます。見ていると、議論が白熱していることも良くありますね。
 
インターネットなどの情報通信技術が発達し、いろいろな方法でコミュニケーションを取ることができるようになりましたが、実際に顔を合わせて話すことには特別な意味があると思います。なかなか解決しなかった問題が、顔を合わせて話をすることですぐに解決するということも良くありますから。そう考えて、社内に気軽に人が集まれる場所、すぐに議論を始められる場所を作りました。
 
それから、窓のそばには土足禁止のリラックスできるスペースを作りました。姿勢を崩して、気楽に話ができるスペースです。ここでくつろぎながら作業している人もいます。
 
このようにいろいろな形で人が集まるスペースを作った理由としては、コミュニケーションを促進するという狙いのほかに、さまざまな形の働き方を提案するという考えもあります。自分の席で働くだけでなく、作業しやすいところで働けば良いのです。
 
コミュニケーションを活性化させるという意味では、キッチンも重要な役割を果たしています。ご説明した通り、私たちの事業は料理のレシピを扱っています。サービスを開発する上で、ユーザーさんの気持ちを理解し、ユーザーさんの目線を忘れないためにも、実際に料理をしてみることが大切です。今回のオフィス移転では、キッチンの機能も拡充しました。
 
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キッチン。調理器具だけでなく、食材まで用意しているので、いつでも料理ができる。
 
キッチンに食材も用意しているので、いつでもすぐに料理ができるようになっています。みんなで料理を楽しめば、それだけでコミュニケーションが活性化します。特に、昼食時に料理をする人が多いですね。
 
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キッチンのそばにはテーブルと椅子がいくつも置いてあり、食事をしながらコミュニケーションを取れるようになっている。
 
 
お客さまとのコミュニケーションの場にもなる会議室は、ちょうど窓があるエリアに作りました。外の眺めを楽しんでもらいたいという思いがあります。また、自然の光が降り注ぐので、開放感があり、気持ち良い空間になっていると思います。
 
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会議室。窓際に設置してあり、壁をガラスとすることで、窓からの光が遠くまで届くようにしている。
 
 
とはいえ、すべての会議室が窓に面しているわけではありません。窓に面していない会議室にも自然の光が届くように、会議室などの来客エリアは、壁をすべてガラス張りにしました。

社員が挑戦できるオフィス環境づくりに注力

――「料理好きでなければならない」といった採用基準はありますか?
 
梶尾:「料理ができること」は採用基準にはしていません。オフィスを整備する立場として1つ挙げるなら、何事にも前向きに、どんどん挑戦してもらいたいという気持ちはあります。
 
社員のパフォーマンスを最大限に引き出せるよう、できるだけ快適な環境を整えようと考えています。先ほどご説明したように、社内では、自席に限らず好きな場所で仕事ができます。リラックスしたかったら、靴を脱いで座れるエリアに行って、くつろぎながら作業してもよいのです。個々人が最も快適と感じる環境で、最高の成果を出してくれればと思います。
 
私たちはこうして働きやすい、快適な環境を整えることに注力しています。社員には、そういう環境を活用して、自身を高めていってほしいと考えていますし、オフィス環境の要望もどんどん出してもらって、それに応えていけたらと思います。
 
オフィス移転は完了しましたが、働く環境の改善については常に検討しています。例えば、リモートワークなどの「働き方」についても今後は考えていかなければならないと思っています。
 
また、冒頭にお伝えしました通り、国内・海外共に事業内容は急速に変化しています。オフィス整備の担当者としては事業展開に合わせて、必要なときに必要な形に素早くオフィスを整備できるように常に意識しています。

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