
昭和の名作”潮騒”の舞台|神秘の島「神島」へストリートビュー!
画像参照元 GANREF
三島由紀夫の「潮騒」は、三重県の秘境「神島(かみしま)」が舞台。三島の代表作であり、英アメリカでも英訳出版されてベストセラーを記録しました。日本では昭和29年から昭和50年までの間に5回も映画化され、三浦友和・山口百恵のゴールデンコンビが共演した5回目の映画では大ヒットとなったそうです。
今回は昭和の名作「潮騒」の舞台となった神秘の島「神島」の魅力に迫ります。三島由紀夫の潮騒を知らない人も多いでしょうが、NHK「あまちゃん」に登場する「潮騒のメモリー」はこの作品のオマージュと言われています。そして神島は大いなる自然に囲まれた素晴らしい島です。この機会にストリートビューで島の素晴らしさを疑似体験してみましょう!
昔は本当に神様が住んでいた?!|八代神社
神島は、かつて歌島・亀島・甕島と呼ばれ、その名の通り神が棲み支配する島と考えられていました。その後八代龍王を主神とする「八代神社」が祀られるようになると、島に多くの神器が集まってきます。神社には今でも古墳時代から室町時代の神宝・秘宝が数百に渡り保存されえているそうです。
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境内にたどり着くまで214段という、長い道のりを上っていく神社。創立の時期は解っていませんが、外宮旧神楽歌(伊勢神宮の神楽歌)には「神島のなおしの明神」という記載があることから、創立はかなり古いものであったと考えられています。
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階段は木々に囲まれ、広がる景色を見ることは出来ません。しかし振り返った時に枝葉の隙間から除く伊勢の海と青空には、神々しいものを感じます。
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急勾配の階段を抜けると、神々しい境内が現れます。主神は天照大神と素戔嗚尊の姉弟。そして海の神「綿津見神(ワダツミノカミ)」。神島は、灯台や監的哨跡がある旧日本海軍にとって要となる島でした。船乗りにとっては綿津見神は大切な信仰対象。もしかしたら八代神社が潮騒を書くときのインスピレーションを与えてくれたかもしれませんね。
奇祭|ゲーター祭
画像参照元 観光三重
「天に二つの日輪なく、地に二皇あるときは世に災いを招く。若し日輪二つある時は、神に誓って偽りの日輪は是の如く突き落とす」
という古い由緒を表すために行われる奇祭「ゲーター祭り」も八代神社で行われます。グミの木で作った白い日輪を、白装束を着た男たちが女竹に紙矛をつけたもので刺し上げる祭り。大漁祈願・平穏無事を願って行われるが、元々の起源はわかっていません。
南北朝時代の太陽信仰・女神である竜神に対する性的な祭祀であるとも考えられていますが、起源ははっきりしていなくとも祭りは脈々と受け継がれているのです。神が棲む島ということははっきりしていますが、どんな神様が棲んでいるのか・・・。そのようなことを想像しながら島を巡ってみるのも楽しいかもしれませんね。
潮騒の名シーンの舞台|神島灯台・監的哨跡
潮騒を見たことが無くても、「その火を飛び越して来たら。」というセリフに聞き覚えがあるマニアもいるはず。新治と初江が互いの気持ちを確かめ合った名シーン。このシーンの舞台になったところが神島灯台の監的哨跡です。
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八代神社の裏側から細道を進み神島灯台へ。この辺りは木で視界が遮られていないので、景観を思いっきり楽しめます。
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潮騒のラストシーンを飾る神島灯台。潮騒の主役「新治と初江」のハッピーエンドの舞台であることから「恋人の聖地30」に選ばれています。また神島灯台は日本の灯台50選にも選ばれた文化的な価値もある灯台です。景色も良く島についてしまえばアクセスも便利なので、灯台初心者にはオススメの灯台かと。
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ここが潮騒の名シーンが描かれた監的哨跡。神島で一番見晴らしが良いので、のんびりしていると時間を忘れてしまいますね。見晴らしが良いからこそ、戦時中は重要な監的哨として使われたということ。戦争の恐ろしさも感じつつ、絶景を楽しみましょう。
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新治と初江の名シーンの舞台にも実際に入れます。「その火を飛び越してきたら。」のシーンはココで生まれました。漁夫・新治と海女・初江の純愛が始まる場所です。潮騒を知らないと人も、記念撮影はしておきましょう。
自然が創る彫刻|カルスト地形
島周3.9kmと小さな島ながら、様々な地形を楽しめるのも神島の魅力。とくに素晴らしい所は、神島小学校の横にある「カルスト地形」です。
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この場所もなかなかの絶景ポイント。カルスト地形と砂浜、広がる海と神島の魅力的な地形を一望することが出来ます。ストリートビューの撮影の時は薄雲が張っていたようですね。残念。
画像参照元 伊勢志摩観光ナビ
天候に恵まれば、こんなに美しい一枚を撮ることもできます。石灰岩の白と海と空のブルーとのコントラストが素晴らしい!海外のドカンと広がる美しさもいいですが、日本のスモールビューティーな景観もステキだと思いませんか?
まとめ
三島由紀夫の「潮騒」の舞台になった神島の魅力が解ったでしょうか。ストリートビューだけで全ての魅力が伝わったとは思いませんが、神島が素敵なところであることは伝わったと思います。ネット記事を読む世代だと、おそらく潮騒を知らないという人がほとんど。かく言う筆者も新治と言えばエヴァンゲリオンのシンジを思い浮かべてしまう世代です。
しかし古くても名作は名作。この機会に昭和の名作「潮騒」に触れ、神島に遊びに行ってみて下さい。
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