どうやって撮影しているの?!|第5弾 雲の海に包まれた竹田城跡@日本

筆者: 編集部

(画像引用元:日本の城歩き
 
2007年に開始されたGoogleストリートビュー。当初は撮影できる場所は公道だけでしたが、2011年に屋内の撮影も開始されて以降、世界各地の様々な地域、施設などで撮影がされています。広い世界で見渡すと「え、そんなところ、一体どうやって撮影したの!?」と驚くような場所のGoogleストリートビューもたくさん。
 
断崖絶壁や水の街など、あり得ない場所の撮影裏話をご紹介する「どうやって撮影しているの?」シリーズ。今回は、日本のマチュピチュとして外国人からの人気も高い「竹田城跡」の撮影秘話に迫ります。

竹田城跡ってどんな所?

まずは、竹田城のご紹介。兵庫県朝来市にある竹田城は、室町時代(1431年)に築城されたと言われており、残念ながら天守閣を始めとした建物は残っていません。しかし山に囲まれた標高353メートルの場所に残る石垣が、当時高い山にそびえ立っていたであろうお城の様子を今に伝えてくれています。
 
竹田城が石垣しか残っていないにも関わらず、国内外から高い人気を誇る理由。それは、気候の条件が整うと雲海に囲まれ、まるで空に浮かんでいるような神秘的な美しさになるから。そのため、ペルーの空中都市になぞらえて「日本のマチュピチュ」と呼ばれています。また2006年に「日本の100名城」に選出されたことで認知度が上がり、様々なドラマやCMのロケ地として採用されました。観光客もこの10年で20倍にも増え、GoogleのCMにまで使われています。このCMで竹田城の存在を知った人、そして「自分の目で見てみたい!」と思った人も多いのでは!?
 

 

竹田城跡をGoogleストリートビューで

それでは早速、麓にある竹田駅から城跡を目指したいと思います。小川に沿って通る小道は「寺町通り」と呼ばれ、この通りの周辺に竹田城最後の城主を務めた赤松広秀が居館していたとされる跡や、初代城主・太田垣光景のお墓などがあります。竹田城までは約1kmの道のりなので、周囲の様々な様子も楽しみながら進みたいですね。
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓

 
山頂を目指し、ひたすらひたすら登ります。かなり険しい道もあるので、観光する際は準備を怠らずに。
 
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けもの道を無理に切り開いたような「山」が現れました。室町時代には階段などなかったでしょうから、竹田城に攻め入ろうとしても、上に敵が隠れて待ち伏せていたらひとたまりもありませんね。まさに自然の要塞です。
 
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かなり息が上がりながら、やっと頂上に到着。うわ〜!眼下には想像以上の雲海が浮かび、まさに天空の城!!
 
Googleストリートビューをグルグル回して、お城の周りをぐるっとご覧下さい。「お城が360度雲海に囲まれている」とは言いませんが、かなりの範囲に雲が広がっているのが分かりますね。天守閣はもっとずっと高い場所にあったのですから、豊臣秀吉の異父弟と言われる羽柴秀長を始めとした竹田城の城主は、一体どんな想いで下界を見ていたのでしょうか。まさに自分が天上人であるように感じたに違いありません。
城跡は想像していたより広く、南北400メートル、東西100メートルもあるそう。これは、完存する石垣の遺構としては日本最大級だそうですよ。
 

いざ撮影

さあ、ここからやっと本題の、「Googleストリートビュー撮影裏話」です。決して車やバイクでは行けない険しいけもの道をよじのぼり、進んだ先には雲海に浮かぶ絶景。一体どのように撮影しているのでしょうか?
 
車が入れないような道を撮影する場合、一般的には↓この重たいカメラを担ぎ、歩いて撮影をします。
 
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(画像引用元:神戸新聞NEXT
 
これが実際のGoogleビュー撮影時の様子です。重い機材を背負って山を登るだけあり、体力のありそうな若い男性です。まだ平らな場所にいますから、ここから先が長い長い道のり。頑張れ〜!!!
 
さてこの「日本のマチュピチュ」。撮影時の一番の問題は・・・運良く雲海が出ているかどうか!実は雲海が出るのは非常に稀。過去のデータを見てみると、雲海が最も出やすいと言われる9〜11月でさえ、平均すると3〜8日に1回程度の出現率です。う〜ん、これは難しい。。期待満々で崖を登ってやっと到着したら、すっきり晴れ渡っていたときのショックは大です。ばっちりと雲海に囲まれたこの竹田城のGoogleストリートビューは、果たしてどのように撮影したのでしょうか。登ってみたら運良く雲海に囲まれていたのでしょうか!?
 
なんと!実は最近Googleは、Googleストリートビューの掲載地を広げるため、そして「一番最高の状態」を撮影するために、観光団体や市町村に無償で撮影機材の貸し出しをしているのです。そう、撮影を担当した上の男性は、市の職員さん。地元の素晴らしい景色を多くの人に知ってもらいたいという思いで、重さ約20kgの機材を担ぎ山道を登ったとのこと。地元愛があふれていますね。
 

まとめ

いかがでしたか?今回は、「日本百名城」でもある、神秘的な竹田城跡のGoogleストリートビューをご覧いただきました。市の職員さんが撮影しているので、オススメの場所を逃すことなくしっかりストリートビューに反映させることができますね。地元をもっと知ってもらいたいという思いから生まれた今回のGoogleストリートビュー。是非とも楽しんでください。

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