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どうやって撮影しているの?!第4弾 インド建築の至宝 タージ・マハル@インド

 
2007年にスタートしたGoogleストリートビュー。公道だけを撮影するものでしたが、2011年に屋内の撮影もスタートし、様々な地域で多くの施設が撮影されています。「えっ、そんなところにも?」と思うような場所に入っているストリートビューを紹介するこの連載!今回は世界遺産でもあるインド・イスラム建築の至宝『タージ・マハル』をご紹介します!!
 
「どうやって撮影しているの?!」シリーズ
どうやって撮影しているの?!第1弾 命がけのモンブラン山群 @ フランス
どうやって撮影しているの?!第2弾 水上に造られた都市ベネチア @ イタリア
どうやって撮影しているの?!第3弾 日本文化の象徴 富士山 @ 日本
 


 

タージ・マハルってどんな所?

 
世界でもっとも訪れたい場所ランキングでも上位に入ることが多いタージ・マハルは、「世界一美しいお墓」として知られています。 白い大理石でできた絢爛たる墓廟は、ヒンドゥー教国インドにおいて栄華を極めたイスラム王朝、ムガル帝国の皇帝シャー・ジャハーンが、最愛の妻ムムターズ・マハルのために建造したと言われています。なんと、年間400万人もの方が訪れるインドでも屈指の観光地です。
  
正確無比なシンメトリーからくる非常に美しいパレス風の建物で、皇帝シャー・ジャハーンが亡くなった王妃のために、1632年からなんと!22年の年月をかけて建設されました。22年もの年月をかけてお墓をつくるなんて、皇帝は本当に奥様を愛されていたのですね。それゆえか、タージ・マハルは、インド・イスラム建築の最高峰ともいわれており、腕利きの職人を集め、なんと延べ3万人が携わったといわれています。
 

タージ・マハルのGoogleストリートビュー撮影ルート

 
通常のGoogleストリートビューは、GoogleマップやGoogle検索から見ることができますが、タージ・マハルにはGoogle内に特設サイトもあります。タージ・マハルの敷地を散策できるようですね。
 

 
まずは、趣のあるこの門がお出迎え。タージマハルのメインゲートであるこの大楼門は、この赤っぽい色が特徴の赤砂岩づくりです。高さは約30m。イスラーム建築で多用される大きなアーチが特徴です。イスラーム建築によくみられる、一方が完全に開き三方が壁で囲まれて天井がアーチ状となっているホールは「イーワーン」と呼ばれます。7世紀頃から始まり、11世紀から12世紀にかけてイスラム建築の基本的な設計として定着しました。
 

 
大桜門をくぐり抜けると、開けた庭園が現れます。ここには4本の水路がありますが、これは天井の川を表現しているのだとか。
 

 
そして見えてくるのが迎賓館です。
 

 
そっくりなこちらがモスク。みなさん、迎賓館とモスクの違いはわかります?本当にそっくりで、私には違いが全くわかりません…。当たり前ですね。全く同じデザインなのですから。ちなみに、庭園から墓廟を見て右側に位置するのが迎賓館、左側に位置するのがモスクになります。
 

 
そして最後にやっと出てくるのが、いわゆる「タージマハール」、ムガル帝国の皇帝シャー・ジャハーンの最愛の妻ムムターズ・マハルのお墓です。
 

 
近くまで行くと繊細で美しい技術が散りばめられた美しい外観がわかります。
 

いざ撮影 〜タージ・マハルのストリートビューを見てみよう〜

 
では、実際の撮影はどのように行なっているのでしょうか?それがこちら。
 

 
そう、人が撮影しているんです!実は、自動車が入れない場所では、このように屈強な撮影隊の方々が「トレッカー」と呼ばれる「バックパック型カメラ Street View Trekker」を背負って撮影を行なっています。日本でも屋久島、軍艦島は同じようにして撮影しています。
 
それでは庭園を挟んでタージ・マハルの正面からストリートビューをご覧ください!
 

 
タージ・マハルへの入口となる大楼門

 
広大な庭園

 
墓廟の周り

 
いかがでしょうか?
広大な敷地をゆっくりまわりながらタージ・マハルを堪能いただけましたか?
 

まとめ

 
その正確無比なシンメトリーからくる美しさを誇る世界遺産『タージ・マハル』ですが、大気汚染による損傷が問題化しています。排ガスによる直接的な汚れの他にも、酸性雨が原因となり大理石が溶けてしまうなどの現象が報告されています。さらに、地下水の過度な汲み上げにより地盤が沈下し、4本の尖塔が外側に傾きつつあるとの報告もあります。いわゆる、開発による世界遺産への悪影響の典型です。(参照:wikipedia
 
そんな現状がある中で、人が歩んできた歴史の偉大さを後世にしっかりと残していくことも、Googleストリートビューが存在する意義ではないのかなとふと考えました。
それではまた、次のバーチャルツアーでお会いしましょう!
 

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