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どうやって撮影しているの?!第2弾 水上に造られた都市ベネチア @ イタリア

2007年に開始されたGoogleストリートビュー。当初は撮影できる場所は公道だけでしたが、2011年に屋内の撮影も開始されて以降、世界各地の様々な地域、施設などで撮影がされています。広い世界で見渡すと「え、そんなところ、一体どうやって撮影したの!?」と驚くような場所のGoogleストリートビューもたくさん。
 
そんな場所の撮影裏話をご紹介する「どうやって撮影しているの?」シリーズ。今回は「水の都ベネチア」の撮影秘話に迫ります。
 
「どうやって撮影しているの?第一弾」!
どうやって撮影しているの?!命がけのモンブラン山群 @ フランス
 

ベネチアってどんな街?

人気の新婚旅行先としてトップに君臨するイタリア(参照:Anniversary travel) 中でも、「水の都」をはじめ、「アドリア海の女王」「アドリア海の真珠」などの様々な別名をもつベネチアは、世界遺産に『ヴェネツィアとその潟』として登録されており、その美しさは多くの人を魅了し続けています。一生のうち一度は行ってみたい街としてあげられることも多いですね!
 
「水上の都市」として有名なだけあり、本当に海の中に造られた小さな街です。すぐ横に大陸があるのに、なぜわざわざ海の中に都市を造ったのでしょうか。
 
歴史をご紹介すると、ゲルマン人のイタリア侵略から逃れようとした北イタリアの住民が、「ここなら侵略されないだろう」と住み着いたのが始まりだそう。最初はそんな逃げ場だった場所ですが、その後湿地帯を活かしたまま発展して水上都市となり、中世にはヴェネツィア共和国の首都として造船や貿易で大きく発展。最盛期は貴族が幅を利かしていたというのもあって、この地で仮面舞踏会なども生まれました。
 
毎年ベネチアで開催されるカーニバルの様子↓

 
このちょっとミステリアスな水上都市。漫画ワンピースに出てくる、「水の都ウォーターセブン」のモデルだということ知っていましたか?物語に出てくる「アクア・ラグナ」という高潮も、「アクア・アルタ」という実際にベネチアで起こる現象です。流石に漫画のように街全体は沈まないですが、一番低いサン・マルコ広場はこのとき水没してしまいます。
 
さてそろそろ話を戻しましょう。水上都市であるベネチアは路地が狭く、車が街の中に入ることはできません。え?!じゃあGoogleカー(ストリートビュー撮影車)で撮影できない!?と思いきや、しっかりGoogleストリートビューは導入されています。早速撮影の裏側をのぞいてみましょう。

ベネチアのGoogleストリートビュー撮影ルート

通常のストリートビューは、GoogleマップやGoogle検索から見ることができますが、人気都市ベネチアには特設サイトもあります。サイトを訪れてみると、気分にあわせてベネチアの街をバーチャル体験できるようになっています。
 

 
「アドベンチャー」「ヒストリー」「ロマンス」3つの気分がありますが、そうですね、今の僕の気分は「ロマンス」です!早速ロマンスを選択すると・・・
 

 
まず最初に、「ため息の橋」を訪れることができました。伝説によると、ゴンドラに乗ってこの橋の下でキスをした恋人たちは永遠に結ばれていると言われているそうです。ロマンチックですね!
 
ちなみに、「ため息の橋」という名前は、独房に入れられる前(この橋は牢獄に繋がっています)に囚人がため息をつくというところからつけられたそうです。何故そこからこんなロマンチックな伝説が生まれたのか不思議ですが、この美しい景色に免じて良しとしましょう。
 

 
次はLa Boutique del Gelatのジェラート。さすがは、ジェラート発症の地、イタリアだけあり、とっても美味しそうですね。大切な人とシェアして、ベネチアの夕日を眺めながら食べる…想像するだけで素敵ですね!
 

 
そして最後は、teatro la fenice(フェニーチェ劇場)です。イタリア語でfeniceは不死鳥を意味するのですが、1773年に火災で焼失したベネチアの他の歌劇場の後継を自負して名付けられたのがこの劇場です。その後この劇場自体、1836年と1996年の2度にわたって火災により全焼しましたが、その都度再建がなされ、「不死鳥」の名にふさわしく蘇り、美しい姿で私たちを楽しませてくれています。(参照:wikipedia
 
劇場の中は豪華絢爛、非日常感を満喫できること間違いなしです。旅の締めに甘いひと時が過ごせそうですね。皆さんも今の気分に合わせてベネチアをバーチャル体験をお楽しみください。

いざ撮影 〜水上のストリートビューを見てみよう〜

気分に合わせてのベネチア、満喫されましたか?ストリートビューを見ていると、驚くことに水上までも移動できるんですね!実際の撮影はどのように行なっているのでしょうか?
 
それがこちら。
 

 
はい。人力です!
 
実は、車が入れない場所では、このように屈強な撮影隊の方々が「バックパック型カメラ Street View Trekker」を背負って撮影を行なっています。ちなみにベネチアは徒歩で約400km、ゴンドラで約180kmの距離を撮影しています。「この美しさを撮りたい!」という執念が凄いですね。
 
日本でも富士山や屋久島、軍艦島は同じようにして撮影しています。いつかこの連載でもご紹介させて頂きますね。では、そんな撮影隊の方々の努力の結晶であるストリートビューをもう少しご紹介。
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓
「白い巨象」と呼ばれる「リアルト橋」
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓
ナポレオンが「世界で最も美しい広場」と言った「サン・マルコ広場」
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓
カラフルな家が立ち並ぶ「ブラーノ島」
 
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓

ブチャラティとボスが対決した「サン・ジョルジョ・マジョーレ島」(※漫画「ジョジョの奇妙な冒険」での話です)
 
いかがですか?ストリートビューを見れば見るほど、実際に現地に行ってみたくなりますし、一瞬でもその場にトリップした感覚を味わうことができますね。

まとめ

その幻想的な美しさから多くの人に愛されるベネチアですが、現在、他の地域への人口流出、水害や地盤沈下、大気や水の汚染、建造物の老朽化など多くの問題に直面しています。更に、今後の地球温暖化によって海面上昇が加速すれば、将来ベネチアの街全体がアドリア海に水没してしまうことも懸念されています。(参照:wikipedia
 
以前の記事でもお伝えしましたが、Googleは変わりゆく地球の姿を後世に残すためにも、ストリートビューの撮影に力を入れています。ベネチアでの撮影もその一環なのかもしれません。勿論、我々がこうした問題に取り組み、美しい街並みを守っていくことが最も大切です!ストリートビューを見ながら、そんな壮大なことを考えてみました。
 
それでは、また次のバーチャルツアーでお会いしましょう!
 

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編集部 :