VR業界の第一人者、國光宏尚氏率いる株式会社gumiが「投資」と「開発」の2軸で取り組むVR事業とは

筆者:手島 理志

株式会社gumiはスマートフォン向けのゲームアプリ事業、またVR関連事業を行っている会社です。日本のVRベンチャーを支援する事業を行っており、VR市場を育んでいくために事業展開しています。今回は株式会社gumiがどのような理念のもとVR事業に取り組んでいるかをまとめました。

株式会社gumiについて

まずは株式会社gumiがどのような企業・サービスを提供しているのか、そこに加えてどのような理念でVR事業に取り組んでいるのかをあわせて紹介します。

株式会社gumiとは

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株式会社gumiは、2007年に設立し、スマートフォン向けのゲームアプリ事業、またVR関連事業を行っている企業です。2015年12月にはVRベンチャーへの投資を行う子会社「Tokyo VR Startups株式会社」を立ち上げるなどして、積極的にVR事業に取り組んでいます。こうした投資事業や、さらには開発事業も開始しており、今後さらにVR市場の中で存在感を増していくことが予想されます。

株式会社gumiの2つのVR事業

gumiは大きく分けて2つの分野でVR事業を展開しています。以下のように、もともと大きく行っていた「投資」の分野と、自社VRゲームの「開発」の分野に取り組み始めました。

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(画像参照:2017年6月9日 2017年4月期 通期及び第4四半期決算説明会資料

 

「投資」 ー VRベンチャーへ出資する「Tokyo VR Startups」の運営
「開発」 ー VRゲームを開発する「よむネコ」の運営

 
gumiの経営理念は「エンターテイメントを通じて世界共通の話題を提供し、人と人との関係を繋ぐことで、日々の生活に新しい楽しさと豊かさを提供する」というもので、市場の急拡大が見込まれるVR市場において早期に優位なポジションを築くためにも、投資を中心としたVRサービスへの対応を行っています。

代表取締役社長 國光宏尚氏の語るVR

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(画像参照元:gumi 「世界一」を目指す起業家の情報収集術

 
VR業界を牽引する第一人者として知られる株式会社gumi代表取締役社長の國光宏尚氏はVRには2つの可能性があると語ります。それは次世代型エンタテイメント機器としての可能性と、次世代型のネットワーク端末としての可能性の2つです。
 
エンタテイメント分野においては、今までにない体験ができる機器として大きな可能性があるとし、成長に必要なものは良質なVRならではのコンテンツの登場と、HMDやVRゴーグルなどのデバイスが安価に入手できるようになることだと話します。またもう1つの可能性として述べたネットワーク端末のあり方は、VRをスマートフォンに次にくる「空間を使用する」インターフェースとして捉えており、空間を活用するネットワーク端末の入り口としての役割を担うことになるとのことです。
 
國光氏によると、gumiの展開している事業では日本だけでなくヨーロッパやアジアといった各国をネットワーク化し、世界中でインキュベーション・投資・ミートアップを連携させることでVR・ARの業界を盛り上げていくシステムを作っているそうです。

投資と開発の2つの事業

ここからは2つの事業について詳しく説明していきます。

Tokyo VR Startups|投資

 

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gumiが大きく取り組んでいる事業の1つとして、子会社のTokyo VR Startups株式会社を立ち上げてVRベンチャーに投資を行っています。
 
日本のVR市場にはインディーやスタートアップでVRコンテンツをつくりたいと考えている人たちに対するインキュベーションへの支援が足りていないという思いから始まった事業で、資金の提供はもちろんのこと、ノウハウの共有や交流の場の提供などを目的に行っています。
 
また日本のVRベンチャーを対象にした「Tokyo VR Startups」だけではなく、韓国に設立した「Seoul VR Startups」や、北欧に設立した「Nordic VR Startups Ab.」などを通して、グローバルで情報共有ができるネットワークの構築を目指しています。

よむネコ&Playsnak|開発

 

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gumiが第2のVR事業として取り組んでいるのは、VRの自社開発及び戦略的出資によるVRコンテンツの開発です。
 
VR事業における更なる事業展開を目指すため、自社VRゲームの開発を推進する必要性を判断し、株式会社よむネコへの出資実行及び出資価値の最大化を図るために2017年3月10日に「よむネコ」のグループ会社化を行いました。今後はgumiのノウハウ等を活用しつつ、「よむネコ」がリリースしているVR脱出ゲームの「エニグマ スフィア」のアップデートなどを行っていくとのことです。
 
また2017年6月にVRゲーム開発ベンチャーのPlaysnakに対して120万ドル(約1億3000万)の投資を行っており、新たなVRゲームの開発をサポートしています。
 
gumiは現状のマーケットをVR市場の黎明期と捉えており、今後はコンテンツの分野にも挑戦していくつもりだということです。

まとめ

gumiはこの2つの事業を通して、VR事業に取り組みたいと考えている企業への投資・支援を行い、VR市場を活性化させ、そして育んだ市場内でコンテンツを自社開発していくという流れを作ることが狙いなのでしょう。さらにこうしてコンテンツが増えていくことは市場の成長にもつながり、ますますVRの参入企業が増えるという良い回転を生むことができます。
 
支援と開発という2軸でのアプローチを持つgumiは、今後のVR市場を作り、進歩させていく企業と言えるのかもしれません。

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