
地方創生にもVR!?|VRを活用した「町おこし」5選
VRの市場が盛り上がり始めている近年、この技術に目を向けているのは企業だけではありません。今や各種自治体や都道府県においても、VRを使ったプロモーションで「自分たちの町の魅力をもっと知ってほしい!」という取り組みが多く行われています。今回は、観光業やエンタメ業界において高い効果を発揮するVRだからこそできる「VR × 地方創生」に取り組んでいる町を5つご紹介します。
【目次】
1. 地方創生における「VR」
2. 地方創生にVRを用いている町5選
2-1. 山形県大石田町|VR動画で見る「最上川花火大会」
2-2. 埼玉県行田市|VR観光コンテンツ「姫と逃げろ!」
2-3. 兵庫県篠山市|日本初の「VR望遠鏡」
2-4. 広島県尾道市|世界にも認められた「キャットストリートビュー」
2-5. 岡山県|「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」
3. まとめ
本記事の内容
1. 地方創生における「VR」
▼「VR」について基本的な意味はこちらから▼
VR(バーチャルリアリティ)とは | 語源と歴史から考える
近頃、よく耳にする「VR」。正式名称は「Virtual Reality(ヴァーチャルリアリティ)」と言い、「五感に働きかけて脳を錯覚させることで、現実ではなくとも本質は同じような環境を、まるで現実であるかのように知覚させる技術」のことです。実際にその場に行かずとも、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術として近年注目されています。
VRコンテンツを用いて様々な場所を「旅」することは、まさにその場に足を運んだような貴重な体験を生み出します。素敵なヴァーチャルリアリティ体験をしたら、「この目で本物を見てみたい」と思うのはある種人間の本能とも言えるかもしれません。観光客誘致のために、早速効果的なVRコンテンツを導入している自治体をご紹介します。
2. 地方創生にVRを用いている町5選
これからご紹介するものは、地方のそれぞれのコンセプトに沿って作られた、興味深いVRコンテンツばかり。地域活性化のためにVRコンテンツをどう活用しているか、どうぞご覧ください。
2-1. 山形県大石田町|VR動画で見る「最上川花火大会」
豪快な大型花火が見ものの「最上川花火大会」をVR動画化してしまったのが山形県大石田町です。山形県の自治会で初めて観光VRコンテンツを制作したとのことで、非常に見ごたえのある映像ですね。
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓
実際に体験している様子(画像引用元:エスマックス)
ヘッドマウントディスプレイをつけて体験することで、より臨場感をもって大迫力の花火大会を体験することができます。
大石田町の庄司喜與太町長によると、VR動画で大石田町を観光した上で本物を見たいと思ってもらうことを期待しているとのこと。これを見たら、「自分の目で見たい!」と誰もが思うのではないでしょうか。
2-2. 埼玉県行田市|VR観光コンテンツ「姫と逃げろ!」
由緒正しい伝統と、謎のB級グルメ「ゼリーフライ」で有名な埼玉県行田市もVRコンテンツによる地方のプロモーションを行っています。市内の遊歩道・サイクリングロードのプロモーションとして、「姫と逃げろ」と題した360度VR動画を公開しています。
↓↓画像の上でクリック&ドラッグすると、360°の景色が楽しめます↓↓
【あらすじ】
動画「姫と逃げろ!」は、行田市の観光PRを行う「忍城おもてなし甲冑隊」に“とある客人”が案内してもらっているところから始まります。そんな中、客人を突然忍者が襲撃します。忍者から逃れた客人と甲斐姫の1泊2日逃走デート(?)で、行田市のサイクリングロードや遊歩道を案内してもらう一連のストーリーを、客人目線で楽しむことができます。
行田市のサイクリングロードを物語に沿って観光できる作利のため、自分が登場人物になったつもりで楽しむことができます。また動画内でもちょっとした仕掛けがあり、最後まで見ることで観光動画としてだけではなく、エンタメ動画としても楽しめるようになっています。
2-3. 兵庫県篠山市|日本初の「VR望遠鏡」
兵庫県篠山市を知っている人は、猪鍋や黒豆を思い浮かべる人が多いかもしれません。ですが今回、日本初となる「VR望遠鏡」で見ることができるのは丹波篠山の四季折々の自然です。
(画像引用元:プレスリリース)
■VR望遠鏡の特長
【1】ヘッドマウントディスプレイのような機材の装着が不要
望遠鏡という形状のため、お子様でもお楽しみいただけます。特に女性においては、機材装着時の化粧や髪などを心配する必要がありません。
【2】オペレーター不要
望遠鏡という誰でも知っている機材のため、難しいオペレーションは不要です。
【3】コンテンツの差替えが容易
スマートフォンを利用してコンテンツを映し出すため、コンテンツの差替えも簡単です。
東京のIT会社「アララ株式会社」が開発した日本初となる「VR望遠鏡」は、兵庫県篠山市の青山歴史村館内にある「丹波篠山デカンショ館」へと設置。土地の魅力を余すことなく伝えるための施策として、オペレーション不要で使い方が誰でもわかる「望遠鏡」でVRコンテンツを提供しています。
2-4. 広島県尾道市|世界にも認められた「キャットストリートビュー」
広島県の商工労働局は、VRコンテンツを使った世界的にも例を見ない試みで県をアピールしました。
(画像引用元:キャットストリートビュー)
以前にもご紹介しましたが、なんとネコ目線で広島県の町並みを紹介するという「キャットストリートビュー」を制作・公開したのです。
VRで町興し!1週間でPV4倍以上を獲得した猫目線での広島案内「キャットストリートビュー」が出来るまで
これまでと少し違った目線での町の紹介ができないか、と言う観点から、「尾道市」と「竹原市」のキャットストリートビューを制作。公開してから一週間で132万PVを達成し、更に国内外で400以上のメディアに取り上げられました。
加えて、2017年4月21日シンガポールにて開催された「APAC Effie Awards」においてゴールドを1つ、シルバーを2つ獲得。更に全アジアのエントリーブランドの中からその年の優れたブランドに贈られる「Brand of the Year」において3位に選出されました。日本のみならず世界中から注目され、評価されている「キャットストリートビュー」は、VRコンテンツによるプロモーションで大成功を収めたのです。
2-5. 岡山県|「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」
「晴れの国 岡山 デスティネーションキャンペーン」とは、2016年4月1日から6月30日までの3ヶ月間実施された、JRグループ、地方自治体、観光事業者等がタイアップして展開された大型観光キャンペーンのことです。
VRの先駆けとも言えるGoogleストリートビューを用いた観光キャンペーンで、対象は国外含む県外の人々。岡山を良く知らない、まだ訪れたことが無い人に岡山の魅力を伝えることが目的でした。
(画像引用元:「晴れの国 岡山 デスティネーションキャンペーン」)
ホテル・旅館・土産物屋・飲食店を対象とし、県がGoogleストリートビュー撮影費用の助成金を交付することで導入を促しました。岡山県の面白いところは、単に名所をGoogleストリートビューで紹介しているだけではなく、そのメイキング映像まで作ってしまったこと!Googleストリートビューの撮影風景はなかなか見れない貴重な映像です。
まとめ
このようにVRで地域活性化のためのプロモーションを行っている自治体はいくつもあります。上でご紹介したのはその一部ですが、今までの静止画や一般の動画に比べて、格段に魅力を伝えられていることが分かりますね。今後もVRの注目度が高くなるに連れて数多くの地方自治体がVRコンテンツを地方創生のために導入することが予想されます。今のうちに一足早く、観光やプロモーションに効果ありのVRコンテンツを導入してみてはいかがですか?
関連記事はこちら!
・地方創生にも一手!助成金を活用して町おこしにもなる『Googleストリートビュー事業』
・お部屋紹介はVRの時代へ|大手不動産メーカーがVRを導入する理由
・市場の成長見込みは20倍!?|ベンチマークをするべき「VR事業を行っている企業」5選
スポンサーリンク